■少女たちの痕にくちづけを (春花あや)
★まんがデーター [17.0/20.0]
・絵柄 :●●●●○
・お話 :●●●●●
・漫画 :●●●●○
・独創性:●●●●○
・属性 : [一般] 百合、ヴァンパイア、学園
・構成 : カラー(4P)、5話+α収録、現在1巻まで発売中。
・おまけ: あとがき・イラスト、描き下ろし「リベンジ」、加筆修正あり。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「春花あや(はるはな・あや)」センセの「少女たちの痕にくちづけを 1巻」です。
※「イブ・ウィンター」
【 構成・絵柄 】
収録は2巻以降に続いていく長編ストーリー。
読んだ印象としては、そう長くは続かないかな、という感じ。
↓表紙の雰囲気から察せられる通り、基本的には百合漫画がベース。
その土台に、吸血鬼というファンタジー設定が乗っかっているのですが。
これがまた、実に見事な融合となってました。
だいたいは、そっち系の百合百合とした甘酸っぱいやり取り。
ただ、たまーに吸血鬼という厳しい現実も見え隠れしていて。
なるほど。
学園生活でカップル成立すればOK、ってーのではないんですかね。
長く続かない、と感じたのも、そのあたりから。
この後、どうにも不幸な展開ばかり想像してしまう、ネガティブ思考なひでるさんです。
実際は、全然幸せに流れていくかもしれませんが。
すっきりとした線での作画。
全体の色付き・濃淡、描き込み具合などは過不足なく。
コマ割りに変化少なく、収まりも良好。
白比率はそれなりにあり、サッパリと見易い仕上がりです。
漫画はラブコメちっく。
SDっぽく崩されることもあり、楽しい雰囲気。
ただ、今後はまた残酷な描写も増えると思わるため、これがどうなるか…。
(※現在はやや明るめな印象なのです)
背景や小物はメリハリもあって、それなり。
少なくとも足を引っ張ってなく、問題ありません。
人物画は長いまつ毛と大きいキラキラ目の可愛らしいもの。
するりとした横顔も特徴的。
これが↓表紙とほぼ変わらない(無論、白黒画は漫画で動かしやすい書き方ですが)ので、判断はそちらで大丈夫。
紹介帯のカット絵も参考になると思います。
【 収録話 】 5話+α収録
深い深い森の中に建つ、吸血鬼らが集う学園。
そちららは、14歳となった者には”姉”ができ、生活の色々なことをサポートしてくれる~といった姉妹制度があり。
誕生日を迎えた「エミル・フローレンス」は問題児として有名な「イブ・ウィンター」と姉妹になってしまったのです。
早速拒否されつつもしつこく追いまわし。
どうにか彼女に同行を許されたのですが…。
そこで「エミル」は、姉妹制度の真実を知ることとなったのでした。
ザックリですが、だいたいそんなお話。
吸血鬼少女たちの物語。
基本的に男子の姿は無く(今のところ)、学園設定とかなんとかほぼ女性だけの世界観。
期待通り(?)に百合百合としていました。
頑張り屋な主人公、クールなお姉さまというのは、百合漫画での王道設定。
姉妹制度、というのも同様ですよね。
そんなんは、有名漫画などによってだいぶスタンダードになっている(←たぶん)ものの、普通の感覚ではやはり突飛なものだと思われます。
そこで吸血鬼。
姉妹制度のある学園には吸血鬼少女らが通っていて。
その特殊さを埋めるキーワードとして、通常では突飛な設定に見える”姉妹制度”というものが実に巧い事ハマっており。
百合漫画として絶妙なスパイスになっています。
また、吸血鬼イコール人類の敵はこちらも同様。
本来は圧倒できる相手なのですが、不覚を取ることもあって。
死の空気をも漂わせてることが最大の特徴でしょう。
こんなん、通常の学園百合漫画では絶対に見られません。
今後どうなっていくんでしょうか。
※「エミル・フローレンス」
そうした、人外が主人公となるファンタジーな世界観であるため、
どこまでどんなんか、基本知識はその通りなのか、といったこの漫画での設定がどうなのか、というのはポイント。
ブログを書く際、1巻で知り得た事柄、登場人物などまとめました。
せっかくなので、こちらにも残します。
多少でもネタバレが嫌な方はこの先に進まぬよう、お願いします。
【 少女たちの痕にくちづけを 各種設定・登場人物まとめ 】
※姉妹制度
14歳となったものには姉がつく。
生活の色々なことをサポートする、といった制度。
同じ部屋で生活することとなる。
血の契り(お互いの血を飲む儀式)、を交わして姉妹となる。
実は吸血行為など変化についてのフォローが主目的。
※吸血鬼について
バラの香りが好き。
不死という存在ではない。
吸血時には催眠術のようなもの(※魅了、との表現)をかけている。
「人間は私たちの敵じゃない~」、「下等動物」などの発言あり。
基本スペックでは人間に勝っている様子。
(ただし、人口では人間のが圧倒的に多い)
※吸血欲
14歳を過ぎると吸血欲が生まれる。
こうなると、普通の食事だけでは満足できなくなり、定期的に吸血行為が必要になる。
殺さない程度に吸う必要がある。
吸血鬼同士でも可能だが、栄養にはならないらしい。
※ヴァンパイア・ハンター
吸血鬼を狩る人間たち。
銃で遠方から仕掛けて来るほか、罠を張って剣で直接戦闘するものもいる。。
弾には銀が混じっており、吸血鬼には大ダメージとなる。
※登場人物まとめ
「エミル・フローレンス」 主人公。頑張り屋で誰からも好かれる。
「イブ・ウィンター」 クールな問題児。エミルの姉。
「ユッカ・ロータス」 エミルと元同室。エミルが好き。
「ヴィオレッタ・エメ」 エミルが好き。辛辣な口調。
「ルーチェ・ルス」 褐色肌。物静か。
「メリー・フィグ」 ヴィオレッタの姉。ドジっ娘。
「シキ・アマクニ」 ユッカの姉。お喋り。
1話目。
前半のスタンダード百合漫画な空気が、ガラリと変化する夜半のお散歩シーンが秀逸。
そうだ、吸血鬼なんだ。
能力的なこととか、まだ不透明な部分多く。
吸血の際、「魅了」という術を使っているものの、漫画描写中ではヴァンパイア・ハンターに圧倒されることがほとんど。
こちらでも、初吸血だった「エミルちゃん」の存在がため、危機となってました。
なるほど、こうした流れでクライマックスの絵になるんだ、なるほどなー。
お姉さま「イブさん」はなんらかトラウマを抱えてるのも基本的、王道だと思います。
…あ。
人当たり良く、皆から好かれる人望熱い「エミルちゃん」
頑張るだけのドジっ娘とかでなく、いぢめられたりもしていなく。
彼女を狙う者とかも多かったですね…。
こんなんは意外。
また、「イブさん」は美人であるようですが、教師からは完全に問題児扱い。
優秀さ・カリスマ性であるとか、委員長などの役職・肩書も特に見られず。
お茶会描写のある3話でもあーした言動なので、ぼっちだと思われます。
こうした極端なんも、なかなかないですよね。
「エミルちゃん」の周囲について描かれる2話目。
彼女の努力によって、「イブさん」にもある程度の変化が。
まぁ、基本的に彼女もお人好しっぽいですからね。
あーしてまとわりつく娘を邪険にし続けることは、得意でないと見えます。
3話目はお茶会シーンがメイン。
他の姉妹として、「ヴィオレッタ」・「メリー」が登場しているのですが…こっちはまた違う極端さ。
面白い。
「イブさん」の過去シーンもあったりしていて。
昔の髪短い頃がロリっとしていて実にキュートでした。
こっちヒロインのがいいのでは(笑)
なお、オチではちょっぴり不穏な空気があったんですが…。
すぐ出て来るので、軽く頭の隅に残しておくように。
※「ヴィオレッタ・エメ」
1巻でのクライマックスとなる4話目。
えー、ここで書くと勿体ないので、伏せます。
そう、吸血鬼なんですよね…。
このエピソードを1巻に間に合わせたのは正解だと思います。
ぜひ押さえておきたい点ですよね。
5話はその続き。
先の1件によって、良い流れになりそうだったのが、ガタガタと崩れていきます。
オチも見事でした。
【 その他 】
そんなこんなで、「春花あや」センセでした。
ざーっと検索したのですが。
こちら初単行本っぽく見えましたが、どうでしょう。
↓表紙と吸血鬼、という文言に釣り上げられましたが。
なるほど、良い設定。
作画・お話共に高い完成度でした。
ちなみに、カバーを外すと、どっかの文学小説みたいな雰囲気になるので。
外で読む際には、カバー置いてきた方がイイ感じかも。
少女たちの痕にくちづけを (1) (角川コミックス・エース) コミック 2022/6/10 春花あや (著)
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・絵柄 :●●●●○
・お話 :●●●●●
・漫画 :●●●●○
・独創性:●●●●○
・属性 : [一般] 百合、ヴァンパイア、学園
・構成 : カラー(4P)、5話+α収録、現在1巻まで発売中。
・おまけ: あとがき・イラスト、描き下ろし「リベンジ」、加筆修正あり。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「春花あや(はるはな・あや)」センセの「少女たちの痕にくちづけを 1巻」です。
※「イブ・ウィンター」
【 構成・絵柄 】
収録は2巻以降に続いていく長編ストーリー。
読んだ印象としては、そう長くは続かないかな、という感じ。
↓表紙の雰囲気から察せられる通り、基本的には百合漫画がベース。
その土台に、吸血鬼というファンタジー設定が乗っかっているのですが。
これがまた、実に見事な融合となってました。
だいたいは、そっち系の百合百合とした甘酸っぱいやり取り。
ただ、たまーに吸血鬼という厳しい現実も見え隠れしていて。
なるほど。
学園生活でカップル成立すればOK、ってーのではないんですかね。
長く続かない、と感じたのも、そのあたりから。
この後、どうにも不幸な展開ばかり想像してしまう、ネガティブ思考なひでるさんです。
実際は、全然幸せに流れていくかもしれませんが。
すっきりとした線での作画。
全体の色付き・濃淡、描き込み具合などは過不足なく。
コマ割りに変化少なく、収まりも良好。
白比率はそれなりにあり、サッパリと見易い仕上がりです。
漫画はラブコメちっく。
SDっぽく崩されることもあり、楽しい雰囲気。
ただ、今後はまた残酷な描写も増えると思わるため、これがどうなるか…。
(※現在はやや明るめな印象なのです)
背景や小物はメリハリもあって、それなり。
少なくとも足を引っ張ってなく、問題ありません。
人物画は長いまつ毛と大きいキラキラ目の可愛らしいもの。
するりとした横顔も特徴的。
これが↓表紙とほぼ変わらない(無論、白黒画は漫画で動かしやすい書き方ですが)ので、判断はそちらで大丈夫。
紹介帯のカット絵も参考になると思います。
【 収録話 】 5話+α収録
深い深い森の中に建つ、吸血鬼らが集う学園。
そちららは、14歳となった者には”姉”ができ、生活の色々なことをサポートしてくれる~といった姉妹制度があり。
誕生日を迎えた「エミル・フローレンス」は問題児として有名な「イブ・ウィンター」と姉妹になってしまったのです。
早速拒否されつつもしつこく追いまわし。
どうにか彼女に同行を許されたのですが…。
そこで「エミル」は、姉妹制度の真実を知ることとなったのでした。
ザックリですが、だいたいそんなお話。
吸血鬼少女たちの物語。
基本的に男子の姿は無く(今のところ)、学園設定とかなんとかほぼ女性だけの世界観。
期待通り(?)に百合百合としていました。
頑張り屋な主人公、クールなお姉さまというのは、百合漫画での王道設定。
姉妹制度、というのも同様ですよね。
そんなんは、有名漫画などによってだいぶスタンダードになっている(←たぶん)ものの、普通の感覚ではやはり突飛なものだと思われます。
そこで吸血鬼。
姉妹制度のある学園には吸血鬼少女らが通っていて。
その特殊さを埋めるキーワードとして、通常では突飛な設定に見える”姉妹制度”というものが実に巧い事ハマっており。
百合漫画として絶妙なスパイスになっています。
また、吸血鬼イコール人類の敵はこちらも同様。
本来は圧倒できる相手なのですが、不覚を取ることもあって。
死の空気をも漂わせてることが最大の特徴でしょう。
こんなん、通常の学園百合漫画では絶対に見られません。
今後どうなっていくんでしょうか。
※「エミル・フローレンス」
そうした、人外が主人公となるファンタジーな世界観であるため、
どこまでどんなんか、基本知識はその通りなのか、といったこの漫画での設定がどうなのか、というのはポイント。
ブログを書く際、1巻で知り得た事柄、登場人物などまとめました。
せっかくなので、こちらにも残します。
多少でもネタバレが嫌な方はこの先に進まぬよう、お願いします。
【 少女たちの痕にくちづけを 各種設定・登場人物まとめ 】
※姉妹制度
14歳となったものには姉がつく。
生活の色々なことをサポートする、といった制度。
同じ部屋で生活することとなる。
血の契り(お互いの血を飲む儀式)、を交わして姉妹となる。
実は吸血行為など変化についてのフォローが主目的。
※吸血鬼について
バラの香りが好き。
不死という存在ではない。
吸血時には催眠術のようなもの(※魅了、との表現)をかけている。
「人間は私たちの敵じゃない~」、「下等動物」などの発言あり。
基本スペックでは人間に勝っている様子。
(ただし、人口では人間のが圧倒的に多い)
※吸血欲
14歳を過ぎると吸血欲が生まれる。
こうなると、普通の食事だけでは満足できなくなり、定期的に吸血行為が必要になる。
殺さない程度に吸う必要がある。
吸血鬼同士でも可能だが、栄養にはならないらしい。
※ヴァンパイア・ハンター
吸血鬼を狩る人間たち。
銃で遠方から仕掛けて来るほか、罠を張って剣で直接戦闘するものもいる。。
弾には銀が混じっており、吸血鬼には大ダメージとなる。
※登場人物まとめ
「エミル・フローレンス」 主人公。頑張り屋で誰からも好かれる。
「イブ・ウィンター」 クールな問題児。エミルの姉。
「ユッカ・ロータス」 エミルと元同室。エミルが好き。
「ヴィオレッタ・エメ」 エミルが好き。辛辣な口調。
「ルーチェ・ルス」 褐色肌。物静か。
「メリー・フィグ」 ヴィオレッタの姉。ドジっ娘。
「シキ・アマクニ」 ユッカの姉。お喋り。
1話目。
前半のスタンダード百合漫画な空気が、ガラリと変化する夜半のお散歩シーンが秀逸。
そうだ、吸血鬼なんだ。
能力的なこととか、まだ不透明な部分多く。
吸血の際、「魅了」という術を使っているものの、漫画描写中ではヴァンパイア・ハンターに圧倒されることがほとんど。
こちらでも、初吸血だった「エミルちゃん」の存在がため、危機となってました。
なるほど、こうした流れでクライマックスの絵になるんだ、なるほどなー。
お姉さま「イブさん」はなんらかトラウマを抱えてるのも基本的、王道だと思います。
…あ。
人当たり良く、皆から好かれる人望熱い「エミルちゃん」
頑張るだけのドジっ娘とかでなく、いぢめられたりもしていなく。
彼女を狙う者とかも多かったですね…。
こんなんは意外。
また、「イブさん」は美人であるようですが、教師からは完全に問題児扱い。
優秀さ・カリスマ性であるとか、委員長などの役職・肩書も特に見られず。
お茶会描写のある3話でもあーした言動なので、ぼっちだと思われます。
こうした極端なんも、なかなかないですよね。
「エミルちゃん」の周囲について描かれる2話目。
彼女の努力によって、「イブさん」にもある程度の変化が。
まぁ、基本的に彼女もお人好しっぽいですからね。
あーしてまとわりつく娘を邪険にし続けることは、得意でないと見えます。
3話目はお茶会シーンがメイン。
他の姉妹として、「ヴィオレッタ」・「メリー」が登場しているのですが…こっちはまた違う極端さ。
面白い。
「イブさん」の過去シーンもあったりしていて。
昔の髪短い頃がロリっとしていて実にキュートでした。
こっちヒロインのがいいのでは(笑)
なお、オチではちょっぴり不穏な空気があったんですが…。
すぐ出て来るので、軽く頭の隅に残しておくように。
※「ヴィオレッタ・エメ」
1巻でのクライマックスとなる4話目。
えー、ここで書くと勿体ないので、伏せます。
そう、吸血鬼なんですよね…。
このエピソードを1巻に間に合わせたのは正解だと思います。
ぜひ押さえておきたい点ですよね。
5話はその続き。
先の1件によって、良い流れになりそうだったのが、ガタガタと崩れていきます。
オチも見事でした。
【 その他 】
そんなこんなで、「春花あや」センセでした。
ざーっと検索したのですが。
こちら初単行本っぽく見えましたが、どうでしょう。
↓表紙と吸血鬼、という文言に釣り上げられましたが。
なるほど、良い設定。
作画・お話共に高い完成度でした。
ちなみに、カバーを外すと、どっかの文学小説みたいな雰囲気になるので。
外で読む際には、カバー置いてきた方がイイ感じかも。
少女たちの痕にくちづけを (1) (角川コミックス・エース) コミック 2022/6/10 春花あや (著)
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