■日陰に迷う (なまえれんらく)
★まんがデーター [19.0/20.0]
・絵柄 :●●●●●
・お話 :●●●●◎
・漫画 :●●●●◎
・独創性:●●●●●
・属性 : [成年] 社会の暗部、ラブコメ
・構成 : 初単行本、7話収録。
・おまけ: あとがき、カバー裏に別絵、加筆修正あり、
描き下ろしおまけ「それぞれの時間」。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「なまえれんらく」センセの「日陰に迷う」です。
★★単行本構成、ほか ★★★
あの独特な↓表紙で感じられるだろうそのまま。
絵柄・お話共に独自さ際立つ単行本です。
「なまえれんらく」センセは、異能、鬼才などと称されていました。
確かにその通り。
紹介帯・裏表紙に漫画カットあるので、そちらで大丈夫そうであればぜひ手に取ってほしい1冊です。
収録は全て短編での構成。
ぱっと見の雰囲気と違い、お話はラブコメっぽさもあったりするのですけね。
ただし、ブラックな色もちらほらとは示されていて。
一言で示すなら…なんだろ、社会の暗部、ですかね。
なお、プレイは多少振ったものもありましたが、ストーリー的に黒々しい点はなかったです。
…たぶん。
おまけは結構なテキスト量あったあとがき。
ページ下の図解「ご家庭にとどけくまで」、が面白いです。
また、漫画以前・以後の風景書かれたおまけ「それぞれの時間」が描き下ろしされていました。
※花問屋の娘「絵桃」
★★絵柄について ★★★
後述する、お話も独特なのですが…。
まず、ぱっと見で察せられるだろう、絵柄は他で見られないようなもの。
紹介文によると、「COMIC ゼロス」表紙作家とのこと。
確かに、↓表紙、裏表紙など(ついでに言えば折り返し絵含め)、実に雰囲気ある絵を描かれる方でした。
背景とか小物。
それらの細かさ・描き込みが凄く、それでいてしつこくはなく…。
見ていて、ちょうど良いくらいの塩梅。
ずわーって、縦・横・奥…にまで画面が広がっていくような感じ。
漫画世界へ引きずり込まれそう。
色彩は濃くて暗め。
いかにもホラーっぽい雰囲気なのですが、そんなんなく。
(※カバー裏はなんとなく怖いっぽいですね)
独特な静けさ・空気感があって…なんというか、路地裏のすえた臭いが伝わってきそう。
表現については、ややコメディー寄り。
人物絵は幅広で丸い輪郭、ぎざぎざまつ毛に横長目・口。
身長は高くなく、バストなどそう大きくないのですが、全体の肉付きは良さげ。
こうした雰囲気で、成年系というのがいいですよね。貴重。
そのため。
普通に成年漫画を求めている人に合うかどうかは…微妙。
あちこち非常に面白いんですけどね。
★★収録話について ★★★ 7話収録
〇〇三:「萌ゆる歯は腐肉を噛み」
花問屋を営む名家の娘「絵桃(えも)」
とある偶然から、肉屋の手伝いをする「捨造(すてぞう)」と知り合い。
自ら彼に関わっていくのでした。
ざっくりそんな感じ。
↓表紙・裏表紙はこちらの「絵桃ちゃん」です。
そちらの不気味な背景は、えっち場所が肉屋であったため。
前半で示されていたように、もともとそっちに興味があり。
作中で言っていたように、都合良いものを得たって感じなのでしょう。
あのトイレットペーパーのカバーは…誰か作ったのかな。
なお今回、雰囲気を合わせるため、ページ番号を漢数字にしています。
〇二七:「せがきの座敷」
下水管の点検をしていた、衛生局に務める主人公。
その枝分かれた通路の先に…女の子「カムロ」が住みついていたのでした。
彼女は上にある娼館の1人。
先の「絵桃ちゃん」と同じくツインテールなのですが、あわあわ可愛らしい感じです。
可愛いですね。
そうした彼女がため、漫画もマイルドな仕上がり。
オチも今後に希望が持てるようなものでした。
〇五五:「道老町すこやか放送室」
海老町・放送室を兼ねる事務所。
理事長「克也」と、帰省していた姪「文」のカップル。
こちらのヒロイン「文ちゃん」は…垢ぬけた美人さん。
服装も小綺麗です。
最中に放送させるなど、他比べて尖ったところなく。
比較的読み易い作品です。
なお、後のおまけ「それぞれの時間」では、話題に出ていた体育祭風景が見れます。
〇七一:「みぎわに寄る人」
仕事に疲れた男性。
往来で家出中の娘と偶然知り合ったのでした。
ヒロインはキャラ・容姿ともに収録で可愛らしい雰囲気。
冒頭アメのくだりも、あざとさありますね。
そうした彼女に対し、弱気な男性が面白い。
「捕食された気分だ…」とか言ってましたよ。
中盤の流れがラブコメしてます。
これで色々解放されればいいですね。
※左:「カムロ」、右:「ももか」
〇九五:「純情小路」
「虎二」の部屋は窓から裏路地に繋がっており。
5時頃になると「ももか」がやって来るのでした。
路地での密会話。
前半、トイレうんぬんのくだりで示されていましたが…。
漫画開始時点で、2人はもう色々シテいる関係。
しっかりゴムも常備していました。
なるほど、部屋と違って微妙に露見しづらいスペースですかね。
ただ、すぐ隣に往来があり、周囲も店なので。
ちょっとした羞恥プレイっぽくなってました。
また、選挙中でもあったのですが…ちゃんと生かされてます。
おまけもそんなんでしたよ。
一一九:「コーポ初春203号室にて」
最近、友人「春充(はるみち)」の部屋で飲んで・遊んでいた「撫子(なこ)」
女性が苦手で、普段はあまり酔わない彼でしたが…。
その日は珍しく、酔いつぶれて先に眠ってしまったのでした。
男友達のよう、ということで「撫子ちゃん」は彼にとってOK。
まぁ、あの言動はちょっと酷い。
さすがに、もうちょっと大人しくしてた方がいいと思うぞ。
ちゃんとスカートで、可愛らしい恰好してるんですけどね。
えっち展開は意外なところから。
男性陣は注意して(笑)
だいぶ恥ずかしいですよ。
こちらのオチが好き。
「撫子ちゃん」面白い娘ですね。
一三九:「寄食するヒステリア」
立ち入り禁止の私有地。
家・学校どちらにも居場所はなく、そちらにある小屋でよく過ごしていたのですが。
そちらは、逃亡犯だという男性の隠れ家でもあったのです。
眼鏡・三つ編みの地味目なヒロイン。
最初はどうなることかと思いましたが…これでなかなか良い感じのお話。
オチ以降はおまけ「それぞれの時間」にて、唯一1ページの漫画で後日談が描かれています。
中盤の目隠しプレイが非常に良いですね。
★★リンクほか ★★★
テーマ : 成年コミック・マンガ
ジャンル : アダルト