■レイニーソング (百乃モト)
★まんがデーター [18.0/20.0]
・絵柄 :●●●●●
・お話 :●●●●○
・漫画 :●●●●●
・独創性:●●●●○
・属性 : [百合] 恋愛、失恋、学生、コメディー
・構成 : 短編×5話(うち「」×2)
・おまけ: 折り返しにコメント、カバー裏にあとがき漫画。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「百乃モト(ももの・もと)」センセの「レイニーソング」です。
※「知見」・「江里」・「大谷鈴」
【 構成・絵柄 】
前回は1冊まるまるの長編でしたが、こちらは短編集。
連続話は1話。
そちらは前回と舞台を同じにした、外伝的エピソードでした。
特に知識は不要なので、ご安心ください。
で、他は短編なんですが、冒頭話はページ数的に2話くらいのボリューム。
読み応えはそこそこあると思います。
漫画内で百合は普通にタブーとして描かれており。
それに染まっていなかった娘が、何らかを切っ掛けに経験ある娘に引き込まれていくという展開です。
ちょっと変化球なお話ですね。
後半の短編2話はどちらも学生同士の爽やかなモノ。
こちらは百合の一歩、二歩前という感じかなぁ。
なんだかくすぐったさあると思います。
柔らかな細線の絵柄。
実に丁寧で原稿は綺麗な仕上がり。
しつこくないくらいの描き込みで、雰囲気と違って濃淡はしっかり。
結構黒は強めでした。
中間色も淡くいい感じに表現されてます。
乱れや崩れもなく。
表現も巧く、引っ掛かるところはありません。
やや強めなもののコメディーもお上手で、特に絵柄でマイナスはなかったです。
初出を見たところ、収録は2011年から2013年。
まぁ、各原稿でまるで違和感ないので、問題ないでしょう。
判断については、見易いので↓表紙で良いかと。
若干雰囲気が違うんですけどね。
【 収録話 】 5話収録
005:「或る少女の群青」
毎朝いつも電車で一緒になる、「江里」・「知見(ちみ)」の2人。
女同士ながら、言動はまさに恋人同士のようで、そのやり取りを眺めるのが「大谷鈴」の楽しみでした。
ある日の帰りに2人と一緒になったんですが、偶然キスシーンを目撃。
ちらと目が合ったそのまま、次の日の電車で「知見」から声を掛けられたのです。
大雑把ですが、そんなんが切っ掛け。
電車内での知り合い、というのは通勤・通学に公共交通機関を利用される方には誰しも覚えがあることでしょう。
こちらの場合、主人公「鈴ちゃん」は当初傍観者であるのが大きなポイント。
もし帰りに出会わなければ、声を掛けられなければ。
よくあるそうした関係のまま、接点なく終わるところだったでしょう。
冒頭、コインロッカーでの「知見さん」を見る限り、彼女からの視線にはとっくに気付いており、また少なからず好意も感じていたのかもしれませんね。
ちょっとした関係ができたことで、逆に避けてしまう感情も分かります。
そうした際の「知見さん」がまた優しいんだわ。
モテそうだなぁ、この人。
そんなんが、中盤のとある出来事を切っ掛けにスピードアップ。
後半は怒涛の展開。
実はコレ短編ながら(といっても普通の2話分くらいのページ数あるんですが)、2組の百合カップルを見れるお話なのです。
うまい変化球ですね。
どんな結末になるのか、ご期待下さい。
※「矢上紘子」・「天藤希実」
043:「くらやみのアスタリスク」 前後編
「テン」こと「天藤希実」は短大を卒業し、現在はフリーター。
バイト先の同僚「翠」の紹介で、バーの店員という「矢上紘子」と知り合ったのでした。
「な~んかかっこいい人だねぇ~?」
そう評したそのまま単なる店員ではなく、”女の子が好きな女の子が主に集まるバー”だったのです。
見知らぬ世界にどぎまぎしていた「希実」でしたが、次第に「紘子」に惹かれていくのでした。
そんな訳で、収録では唯一の連続話です。
前巻「キミ恋リミット」の後日談というか、外伝エピソードになってます。
知っていればより楽しめ、ちょっとした優越感(?)にもひたれますが…特に読んでいなくても大丈夫。
実際、ひでるさんはすっかり忘れており、あとがきで”はっ”と気付いたので。
初のバーで、接客に慣れた美人を前にして…。
「希実ちゃん」があーなるのは、当然のこと。
こんな感じにして、ハマっていくんだろうなぁ。
ただ、彼女の場合は1人で店へ入るほどの度胸がなく。
ハンカチを返しに行った際の対応が可笑しい。
ひでるさんもそういうところ似てるので、あの心理は手に取るように分かります。
わはは。
ただ、こちらの場合はその突飛な行動がため、単なる客からステップアップすることとなるのでした。
「翠さん」が心配するのも当然。
まぁ、その通りで営業ですわね。
こうした流れで、積極性を見せた「希実ちゃん」なんですが…という訳で後編へ。
前編では「希実ちゃん」が話の中心でしたが、こちらは「紘子さん」
彼女の詳細が分かるようになってます。
そう簡単にぱっと切り替えられるものではないですよね。
こっちは話の核心になってしまうので伏せます。
年齢・舞台などを変更されていますが、キャラに展開まで百合漫画のスタンダードというべきお話。
読み易いと思います。
個人的には…あれでいいのかなー、って思ったりもして。
111:「スノーフレイクス」
こちらから2話はどちらも学生になります。
”校内一美女”という先輩「篠崎」の卒業式に向け、マフラーを編む「田辺ハル子」
その姿を近くで見ていた友人「るい」は…というもの。
ちょっと温かな青春エピソード。
いちおう「るいさん」には彼氏がいるんですが。
雰囲気からして、大した相手ではないんでしょうね。
(ろくすっぽ顔も描かれてなかったですよ)
また、この頃は恋愛相手よりも友人のが繋がり深いのだろうと思います。
ギリギリで躊躇してしまう「ハル子」に対し、後半の「るいさん」が熱い。
良いお話でした。
※左:「るい」と「ハル子」、右:「桐野」と「吉沢」
127:「レイニーソング」
こちらが表題作。
当然、↓表紙の2人もこちらのカップルです。
文化祭の演奏で「桐野」さんのファンになったという、同クラス「吉沢」さんのお話。
「吉沢さん」は見るからに真面目な雰囲気の娘。
そのため、「桐野さん」のああした感覚も分からん訳ではないですが…。
たぶん、ファンになるのは彼女みたいな娘だと思いますよ。
若いから照れもあるんだろうなぁ。
…というか。
中盤あたりで2人の以前の風景が差し込まれており、そちらにて「桐野さん」の深い心情が読み取れます。
そっちか。
【 その他 】
そんなこんなで「百乃モト」センセでした。
ブログでは「キミ恋リミット」を紹介しています。
2010年くらいの発売なんですね。
なんだかお名前は覚えてましたよ。
正確な冊数は不明ですが、とりあえず百合姫では2冊目。
良い出来栄えでした。
センセのHPにお邪魔したところ、没ラフとか単行本の話をまとめた同人誌を作成されたようです。
表紙のSDキャラがキュートでしたよー。
書店委託しないようなので、気になる方は見てみるのがいいかと。
★過去に紹介した百合姫コミックス
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・絵柄 :●●●●●
・お話 :●●●●○
・漫画 :●●●●●
・独創性:●●●●○
・属性 : [百合] 恋愛、失恋、学生、コメディー
・構成 : 短編×5話(うち「」×2)
・おまけ: 折り返しにコメント、カバー裏にあとがき漫画。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「百乃モト(ももの・もと)」センセの「レイニーソング」です。
※「知見」・「江里」・「大谷鈴」
【 構成・絵柄 】
前回は1冊まるまるの長編でしたが、こちらは短編集。
連続話は1話。
そちらは前回と舞台を同じにした、外伝的エピソードでした。
特に知識は不要なので、ご安心ください。
で、他は短編なんですが、冒頭話はページ数的に2話くらいのボリューム。
読み応えはそこそこあると思います。
漫画内で百合は普通にタブーとして描かれており。
それに染まっていなかった娘が、何らかを切っ掛けに経験ある娘に引き込まれていくという展開です。
ちょっと変化球なお話ですね。
後半の短編2話はどちらも学生同士の爽やかなモノ。
こちらは百合の一歩、二歩前という感じかなぁ。
なんだかくすぐったさあると思います。
柔らかな細線の絵柄。
実に丁寧で原稿は綺麗な仕上がり。
しつこくないくらいの描き込みで、雰囲気と違って濃淡はしっかり。
結構黒は強めでした。
中間色も淡くいい感じに表現されてます。
乱れや崩れもなく。
表現も巧く、引っ掛かるところはありません。
やや強めなもののコメディーもお上手で、特に絵柄でマイナスはなかったです。
初出を見たところ、収録は2011年から2013年。
まぁ、各原稿でまるで違和感ないので、問題ないでしょう。
判断については、見易いので↓表紙で良いかと。
若干雰囲気が違うんですけどね。
【 収録話 】 5話収録
005:「或る少女の群青」
毎朝いつも電車で一緒になる、「江里」・「知見(ちみ)」の2人。
女同士ながら、言動はまさに恋人同士のようで、そのやり取りを眺めるのが「大谷鈴」の楽しみでした。
ある日の帰りに2人と一緒になったんですが、偶然キスシーンを目撃。
ちらと目が合ったそのまま、次の日の電車で「知見」から声を掛けられたのです。
大雑把ですが、そんなんが切っ掛け。
電車内での知り合い、というのは通勤・通学に公共交通機関を利用される方には誰しも覚えがあることでしょう。
こちらの場合、主人公「鈴ちゃん」は当初傍観者であるのが大きなポイント。
もし帰りに出会わなければ、声を掛けられなければ。
よくあるそうした関係のまま、接点なく終わるところだったでしょう。
冒頭、コインロッカーでの「知見さん」を見る限り、彼女からの視線にはとっくに気付いており、また少なからず好意も感じていたのかもしれませんね。
ちょっとした関係ができたことで、逆に避けてしまう感情も分かります。
そうした際の「知見さん」がまた優しいんだわ。
モテそうだなぁ、この人。
そんなんが、中盤のとある出来事を切っ掛けにスピードアップ。
後半は怒涛の展開。
実はコレ短編ながら(といっても普通の2話分くらいのページ数あるんですが)、2組の百合カップルを見れるお話なのです。
うまい変化球ですね。
どんな結末になるのか、ご期待下さい。
※「矢上紘子」・「天藤希実」
043:「くらやみのアスタリスク」 前後編
「テン」こと「天藤希実」は短大を卒業し、現在はフリーター。
バイト先の同僚「翠」の紹介で、バーの店員という「矢上紘子」と知り合ったのでした。
「な~んかかっこいい人だねぇ~?」
そう評したそのまま単なる店員ではなく、”女の子が好きな女の子が主に集まるバー”だったのです。
見知らぬ世界にどぎまぎしていた「希実」でしたが、次第に「紘子」に惹かれていくのでした。
そんな訳で、収録では唯一の連続話です。
前巻「キミ恋リミット」の後日談というか、外伝エピソードになってます。
知っていればより楽しめ、ちょっとした優越感(?)にもひたれますが…特に読んでいなくても大丈夫。
実際、ひでるさんはすっかり忘れており、あとがきで”はっ”と気付いたので。
初のバーで、接客に慣れた美人を前にして…。
「希実ちゃん」があーなるのは、当然のこと。
こんな感じにして、ハマっていくんだろうなぁ。
ただ、彼女の場合は1人で店へ入るほどの度胸がなく。
ハンカチを返しに行った際の対応が可笑しい。
ひでるさんもそういうところ似てるので、あの心理は手に取るように分かります。
わはは。
ただ、こちらの場合はその突飛な行動がため、単なる客からステップアップすることとなるのでした。
「翠さん」が心配するのも当然。
まぁ、その通りで営業ですわね。
こうした流れで、積極性を見せた「希実ちゃん」なんですが…という訳で後編へ。
前編では「希実ちゃん」が話の中心でしたが、こちらは「紘子さん」
彼女の詳細が分かるようになってます。
そう簡単にぱっと切り替えられるものではないですよね。
こっちは話の核心になってしまうので伏せます。
年齢・舞台などを変更されていますが、キャラに展開まで百合漫画のスタンダードというべきお話。
読み易いと思います。
個人的には…あれでいいのかなー、って思ったりもして。
111:「スノーフレイクス」
こちらから2話はどちらも学生になります。
”校内一美女”という先輩「篠崎」の卒業式に向け、マフラーを編む「田辺ハル子」
その姿を近くで見ていた友人「るい」は…というもの。
ちょっと温かな青春エピソード。
いちおう「るいさん」には彼氏がいるんですが。
雰囲気からして、大した相手ではないんでしょうね。
(ろくすっぽ顔も描かれてなかったですよ)
また、この頃は恋愛相手よりも友人のが繋がり深いのだろうと思います。
ギリギリで躊躇してしまう「ハル子」に対し、後半の「るいさん」が熱い。
良いお話でした。
※左:「るい」と「ハル子」、右:「桐野」と「吉沢」
127:「レイニーソング」
こちらが表題作。
当然、↓表紙の2人もこちらのカップルです。
文化祭の演奏で「桐野」さんのファンになったという、同クラス「吉沢」さんのお話。
「吉沢さん」は見るからに真面目な雰囲気の娘。
そのため、「桐野さん」のああした感覚も分からん訳ではないですが…。
たぶん、ファンになるのは彼女みたいな娘だと思いますよ。
若いから照れもあるんだろうなぁ。
…というか。
中盤あたりで2人の以前の風景が差し込まれており、そちらにて「桐野さん」の深い心情が読み取れます。
そっちか。
【 その他 】
そんなこんなで「百乃モト」センセでした。
ブログでは「キミ恋リミット」を紹介しています。
2010年くらいの発売なんですね。
なんだかお名前は覚えてましたよ。
正確な冊数は不明ですが、とりあえず百合姫では2冊目。
良い出来栄えでした。
センセのHPにお邪魔したところ、没ラフとか単行本の話をまとめた同人誌を作成されたようです。
表紙のSDキャラがキュートでしたよー。
書店委託しないようなので、気になる方は見てみるのがいいかと。
レイニーソング (IDコミックス 百合姫コミックス) (2013/10/18) 百乃 モト 商品詳細を見る |
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