■執着点片道切符 (いだ天ふにすけ)
★まんがデーター [19.5/20.0]
・絵柄 :●●●●◎
・お話 :●●●●●
・漫画 :●●●●●
・独創性:●●●●●
・属性 : [成年] 偏愛、ラブコメ、近親
・構成 : 7話収録
・おまけ: カバー裏におまけのメイド服とあとがき、
描き下ろし漫画(7P)、加筆修正あり。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「いだ天ふにすけ」センセの「執着点片道切符」です。
★★単行本構成、ほか ★★★
収録は7話。
続きものはなく、また前巻にあったような、それぞれエピソードの相関関係なもないと思います。
…たぶん。
なお、前巻収録話の続きものはありました。
詳しくは後述します。
紹介文面には、「偏愛・執着・欲望を唯一無二の筆致で描き切る~」とありました。
なるほど、さすがは出版社さん、良い文言ですね。
とりあえず、↑上の属性部分にて拝借させてもらい、1つを「偏愛」としました。
(※偏愛 へん‐あい: ある物や人だけをかたよって愛すること。 [goo辞書より抜粋])
どちらもそんな感じですね。
ぱっと見の印象とは違って、意外にラブコメなんもちらほらあったので。
そう敷居は高くないと思います。
おまけは、前巻と同様でヒロインらのメイドコスプレ。
カバー裏にまとめられていて、男性らの反応と共に楽しめると思います。
あとがきもそこでした。
ほか、7ページほど描き下ろし漫画が収録されてます。
各収録話ごと、1ページづつ割り当てられたもので、本編に入れれなかったちょっとした風景が描かれてます。

※左:「カルオ」、右:幼馴染み「すがも」
★★絵柄について ★★★
あちら↓表紙の時点で、感じられると思いますが。
非常に癖が強く、しっかり人を選ぶだろうもの。
ただし、完成された画風で、他では見られない圧倒的な個性があり。
肌感覚で大丈夫そうならば、ぜひ手に取って欲しい仕上がりでした。
しっかりとした、柔らかな線。
全体の色づきはそこそこで、強い黒色。
それなりに白比率あります。
テキスト・漫符・擬音などで、原稿は結構賑やか。
コマ割りは縦横に細かく。
変化あったものの、見辛いような配置はありません。
収まりも良かったです。
漫画のだいたいは可愛らしく、コメディー調なのですが。
ふとしたタイミングでは、妙なまでの生々しさ、すうと背筋が冷えるような狂気~まで、感じられるもの。
(※なお、そんなん不得意な人へ。今回収録話に、ホラー・ブラックなんは少ないです)
そうした際は、画面の暗さ(黒色の濃さ)が巧いこと作用してました。
引き絵とか動きあるコマとか、まんが・マンガしているんですけどね…。
不思議。
横長でタレ気味な黒ベタ目。
縦線な鼻に、幅広の丸っとした輪郭が特徴の人物画。
背丈は低めで、むっちりした肉付き。
感覚として、ちょっと太めだと思います。
カラーでも白黒の良さは残っていたため。
判断は↓表紙そのままでも大丈夫。
カット絵が背景の裏表紙も参考になるでしょう。
★★収録話について ★★★ 7話収録
003:「そういう妖怪」
住み込みでエビの皮むきの仕事に就いた主人公。
そちらのオーナーが囲う女性「カルオ」はふんわりと可愛らしい女性でした。
ある夜、寝床にやってきた彼女に、誘われるまま関係してしまい~といった導入部。
タイトルには妖怪とありましたが。
いわゆる比喩とか、ではないみたい。
本編では、特に詳細不明なままなのですが、巻末の描き下ろしにて、なんとない示唆がされてました。
こちらのヒロイン「カルオちゃん」は↓表紙の娘。
むちむちでエロくて実に良いですね。
こんな娘に誘われたら…まぁ、抗えないのは当然。
またですね、その際は周囲に人いる中での布団内で、声が出せない~といったドキドキ・シチュエーションになっていて。
実際あんなんだったら、たまらんでしょうね…。
お話は、ブラック系成年漫画などで、ちらほら見られるもの。
ただ、後半の描写は…そうなっちゃうかー、といった印象です。
それがため、オチの強いインパクトに繋がっていました。
冒頭話がこうしたエピソードで。
また前述したように、センセの絵柄なあーなため…。
これ以降のお話でも、あるいはオチ前にトンデモない展開があるのでは!?、、、、とか、警戒させられることとなりました。
033:「大好き南雲くん」
ネイリストになるため、海外に修行に出かけた「南雲」
その間、「森」は日本で待つ、遠距離恋愛となり…。
4年後、ついに彼が帰ってきたのです。
前述したように、先のエピソードの関係で…。
あるいは、また何かあるかも、~と見ていましたが。
ご安心ください、こちらは普通のラブコメ話です。
4年後の再会風景。
空港で出迎えた後に、あちこちひととおりデートをして…。
ようやく、部屋で2人きりといった、という場面から漫画はスタート。
久しぶりに再会したばかりな2人の、まだ微妙な空気感になっているあたりが秀逸。
実際のところ、こんなんかもしれませんね。
(※当然、双方の性格もあるでしょう)
お互いの想いが合致していて、何よりでした。
巻末の描き下ろしが楽しいです。
055:「狐の雨宿り」
パン屋の軒先で雨宿りをしていた「高太郎(たかたろう)」
そちらで、旦那に死なれたばかりで家に帰りたくない、~という未亡人「純(すみ)」に出会い。
しばしの間、彼女を部屋に居候させることとなったのでした。
"年上でエロい女"
そう冒頭にありましたが、単に同居するだけでなく、家事から夜の相手までシテくれていた彼女。
冒頭では、地味で大人しい印象でしたが。
慣れてきた彼女は、可愛らしく・えっちな女性であり。
まぁ、童貞だった彼が好意もつのも、当然な流れでしょう。
想いを口にした彼に対する「純さん」の反応。
…まあ、そうだろうなぁ、……と。
それがため、後の流れについては、ほぼ想定通りだったものの…。
ああしたオチで、本当に良かったです。
079:「不束ながら」
仕事で失敗して、落ち込む先輩「下津」を慰める会、を主催した「すがも」
2人は小学校から職場まで、ずっと一緒の幼馴染み。
当然、周囲からは色々言われていたものの、まだ付き合っていなかったのです。
お話、ヒロイン共に、収録ではこちらが最もお気に入り。
「すがもちゃん」が可愛い。
特に中扉は、彼女の1枚絵(※メイド服)になっていて。
ぜひコスプレして欲しいですわね。
そんな彼女の、
「いいから、ホテル行くぞ」
~という台詞が恰好良い。
冒頭から、頼りない「下津くん」に対して、しっかり者の「すがもちゃん」といった雰囲気でした。
それがため、こーなるまでずいぶん時間かかったなぁ、とか見ていたのですけれど。
あー、なるほどー。
中盤のくだり、そしてオチの描写が、また非常に良かったです。
(※小さい頃の2人とかも面白いですね)
特にオチ部分は、中盤シーンでの「すがもちゃん」視点になっていて。
どういう思考の巡りから、あーした台詞になったのか。
そちらがよく分かり、また実に可愛らしく、秀逸なものでした。
ひでるさん、ここで撃沈です。
101:「穴穴穴」
処女作はヒットしたものの、その後何も書けていなかったラノベ作家「四十万オサム」
ファンも仕事もすっかり目減りしていたものの。
定期的にDMをくれる「ノラシェ」というファンがいたのでした。
そんな彼に誘われ、会いに行く~という流れ。
個人的に、彼のビジュアルが引っ掛かりました。
ちょっと怖いよ…。
ただ、漫画では好青年となっており。
言動もそうした感じでした。
えっちに至る流れはスマートで、またお上手そう(笑)ですね。
冒頭と比べて、希望が見えるオチで良かった。
こちらの描き下ろしも楽しいです。
相性は悪くなさそうでしたが、カップルには…ならないんだろうなぁ。

※ラノベ作家「四十万オサム」
125:「つづきの他人事」
実家を出て1人暮らしをしていた姉「小鞠」
大学に受かった、という弟「真央」が上京してきたのでした。
こちらのみ12ページで、やや短め。
前巻に収録されていた、短編「他人みたいに」の続きです。
えー、なかなか恥ずかしい話なのですが。
例によって、そちらを完璧に忘れていたひでるさんが読んで十分に楽しめたので、いきなりこちらからでも大丈夫だと思います。
無論、前巻を読み直して戻ってきた際には、より楽しめたのも事実です。
姉弟の近親話。
その姉弟という関係が既に壊れており。
どうにも微妙な姉「小鞠さん」の心理がよく表現されてます。
また、再会時とか、前話との違いがポイントですかね。
ただ、このカップルについては…描き下ろしがなかなかにブラックで。
ぞくぞく震えました。
137:「手紙」
大学では王子様と呼ばれる「羽口唯」を兄に持つ「羽口翔」
兄については、友人らからも色々言われていたのですが。
実は、兄妹で身体の関係があったのです。
外ではスルーしていたものの、2人では昼も夜もないくらいにえっちしていた~という2人。
ただ、単にそれだれの相手、として振舞っており、お互いに想いは口にしてなかったため。
中盤・イベントからの流れが最高。
また、そちらから繋がるオチがまた素晴らしかったです。
★★リンクほか ★★★

執着点片道切符 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL) コミック, 2025/2/28 [アダルト] いだ天ふにすけ (著)
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「あなただけの雌になる」
テーマ : 成年コミック・マンガ
ジャンル : アダルト