■あなたと私は悪くない (久遠ミチヨシ)
★まんがデーター [16.5/20.0]
・絵柄 :●●●○○
・お話 :●●●●◎
・漫画 :●●●●○
・独創性:●●●●●
・属性 : [一般] ほんのりブラック、男女関係
・構成 : カラー(4P)、短編×10話(うち「雪の果て」×2)
・おまけ: カバー裏にあとがき4コマ
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「久遠ミチヨシ(くおん・みちよし)」センセの「あなたと私は悪くない」です。
※左:水瀬芽衣、右:志嶋さん
【 構成・絵柄 】
収録は短編群。
うち、タイトルは違いますが冒頭・巻末の2話は連続するエピソードになってます。
単行本を代表してるような漫画ですわね。
今回の特徴が、ほんのりブラック。
紹介帯の文言、
”きっと誰もが、ゆがんでいる。”
…は伊達ではありませんでした。
男性・女性どちらも微妙に問題あったりして。
明るいラブコメ展開なんは皆無です。
お話によって、読後感がずどーんと落ち込むようなものもあったので、精神状態には注意。
影響受け易い方は、一気に読み進めない方がいいかも。
ただ、精神浸食されるような漫画だけあって、ほぼ短編ながら読み応えは抜群。
お好きな方はどうぞ。
やや強めな線の作画。
濃淡・描き込みは適度なくらい。
全体は薄めでしっかり色づきあり、白比率もあって見易い原稿です。
ただ、絵は平たい印象で、乱れ・崩れも散見され。
引っ掛かるほどではないものの、もう少し丁寧さがほしいところ。
良く描かれているコマもあるので、やや勿体ないですね。
表現的にはお上手で、テンポあって漫画運びは問題なし。
特徴ある絵柄が問題ないか、どうかでしょう。
判断については、↓表紙・裏表紙でどうぞ。
【 収録話 】 10話収録
027:「ひらりしゃらり」
祖父が創業者で会長、父が重役という会社で働くお嬢様な「御門さくら」
婚約者の「松山」は資産家の息子で、優しく・明るく・誠実という理想的な男性でした。
しかし彼女は別の男性と…というお話。
タイトルの意味はオチくらいで分かります。
婚約者さんは非常にいい男性だと思うんですが、実際こんなんありそう。
関係しているのはまぁ、仕方ないとしても、オチ付近で語ってる事のがなんだかイヤだ。
また、ラストコマのセリフが秀逸。
※美鈴
037:「想ひ潰ゆ」
陸上部「沼田」は走ることが何よりも好きな男性。
マネージャー「深月まこ」はそんな彼に好意をもっていたんですが。
階段で足を滑らせた彼女を受け止めたところ、膝を怪我してしまい。
走る事が出来なくなってしまったのでした。
罪悪感からか、「まこ」は何でも言うことに従うようになったのです。
そんな感じで、こちらは運動部の元先輩とマネージャー。
設定としてはよくある感じなんですが。
そう単純ではない、ドス黒さあるのがこの単行本の良いところ(笑)
非常に良かったです。
こんな話好き。
063:「空蝉少女」
奥手で会話下手なコンビニ店員「水瀬芽衣」
ひょんな切っ掛けから、客であった「奈加川」から告白され、付き合うこととなったのでした。
他の話に比べればだいぶソフトですね。
”女の子”が”女性”になるというひと経験話ですよ。
見立てた服が露出大きくてキュートでした。
083:「クレナイカマキリ」
「河井瑛太」は大学時代の憧れの女性「美鈴」と再会。
彼女と結婚したのは友人「萩原」だったんですが、DVを受けていると告白し。
「夫を殺して…」
そう言ってきたのでした。
まぁ、他人の好意をダシに人殺し依頼してくるような女は最低ですわね。
自分でなんとかしなさい。
とはいえ、「瑛太くん」にとっては旦那「萩原」は友人だった男性。
ぱっと決行できる筈もなく、思い悩むんですが…これがまたパンチの効いたブラック具合。
オチは「そうかー!」って転げ回りたくなるようなものでした。
これはまた抜群なお話ですよ。
103:「凩吹いて」
「村瀬凜絵(むらせ・りえ)」が付き合う彼は、幼少期の経験からえっちが出来ない体質。
付き合う際にそれを聞いており、それを承知で同棲をしいたんですが…という流れ。
これは仕方ないかと。
心理的なものなので、難しいことは承知で…なんとか治す方向にはいけないのかなぁ。
ただ、「凜絵ちゃん」もソレをはっきり言わないとダメよ。
こっそり裏切るのは最低。
119:「しんしん」
若手ではトップという優秀な営業マン「天海」くんのエピソード。
仕事が出来、顔も良いということでモテる彼なんですが。
なんというか、人間としては二流、三流という印象。
エリートっぽいから、そうして成長したのか。
こんなんロクな結果にならないだろうなぁ、って思っていたら案の定でした。
眼鏡の人事部「志嶋」さんは可愛らしいですよ。
137:「朧春」
美人の奥様「紗希」見合い結婚をしていた「三橋」
明るく話し上手なため、不器用・口下手な自分とは釣り合わない思っていたんですが…冗談めいた告白から、あっさり結婚へと至っていたのでした。
これはまた男性側に問題ある作品。
なんというか…さらに違った変化球のブラック具合で、うーんと唸ってしまう雰囲気。
もう少し前向きに生きようよ(笑)
お話ではひと事件起こるんですが、それがため平穏を得るというのが抜群。
読んでて、決して楽しい漫画ではないんですけどねー。
155:「春の風」
後輩「由宇香(ゆうか)」と久しぶりに再会した「しずく」
しかし、そこには自分に好意を持っているという、彼女の兄もついてきていたのでした。
これはどうにも救いの薄いエピソード。
要するに、片想いが連鎖していて。
成年のラブコメなら、なんのかんのと大団円になりそうなんですが、こちらは社会派(?)
そう単純なモノではないですよ。ええ。
後半の微妙な表情で見つめる「由宇香さん」が怖い。
※左:紗希、右:日宮深雪
001:「雪の果て」 カラー原稿あり
171:「海鳴り」
本当は「雪の果て」が冒頭に位置する漫画なんですが。
最後に収録された「海鳴り」との連続だったので、こちらにまとめて紹介します。
柔道部のマネージャー「日宮深雪(ひのみや・みゆき)」に憧れていた「白峰」
しかし、彼女は先輩「貢」と付き合っており。
そのまま卒業・就職となっていたんですが…金遣いの荒さは社会人になっても変わらず、借金代わりに「深雪」を差し出しているというのでした。
大雑把ですが、そんなんが「雪の果て」
再会した「深雪さん」が変わらず綺麗で優しいのが悲劇ですね。
変な話、想いブチ壊すようなんならば、まだ救いがあるのに…。
あの行動も仕方ないかなぁ。
そんなこんなで、続くエピソード「海鳴り」
その後の2人が描かれます。
まさに漫画タイトル通りという感じですね。
生活、そして人生をも狂わされた男女の複雑な感情が交差してました。
もう、イヤんなるくらいにドッカリと重たく、実に良い作品(笑)
…で、何より良かったのが、こちらのオチ。
やっぱり、センセはあえてこの位置に収録したのかなぁ。
読み手によって意見様々かもしれませんけど、個人的にはこのオチで全体が綺麗にまとまったように感じました。
【 その他 】
そんなこんなで「久遠ミチヨシ」センセでした。
↓下に並べましたが、ブログでは何冊か紹介しています。
お馴染みです。
あとがきによると、デビュー10周年とのことでした。
おめでとうございます!
珍しくブラックな作品群でしたが、各話とも深く、重く…。
予想以上の出来栄えでした。
ぶっちゃけ、こっちジャンルのが合ってるのでは。
★「久遠ミチヨシ」センセの漫画紹介記事
[幼稚園からやりなおしっ!]
16歳の「るうさん」がちょっとした手違いで幼稚園へ行くことに~という長編。一般。
[Spray Pink [すぷれいぴんく]] 成年
義兄妹の恋愛話「幻想レンアイ」、などを収録した作品集。
[絶対☆は~れむ] 一般
複数ヒロインとのハーレムっぽいラブコメ。現在1巻まで発売中。
[つつんでひらいて] 一般
センセ初の一般系ラブコメ短編集。
[桃色たゆにずむ] 成年
ラブコメからシリアスまでという短編集。
[妄想ホリック] 成年
電車モノに近親、お姉ちゃんからお猿さんまで登場の短編集。
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・絵柄 :●●●○○
・お話 :●●●●◎
・漫画 :●●●●○
・独創性:●●●●●
・属性 : [一般] ほんのりブラック、男女関係
・構成 : カラー(4P)、短編×10話(うち「雪の果て」×2)
・おまけ: カバー裏にあとがき4コマ
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「久遠ミチヨシ(くおん・みちよし)」センセの「あなたと私は悪くない」です。
※左:水瀬芽衣、右:志嶋さん
【 構成・絵柄 】
収録は短編群。
うち、タイトルは違いますが冒頭・巻末の2話は連続するエピソードになってます。
単行本を代表してるような漫画ですわね。
今回の特徴が、ほんのりブラック。
紹介帯の文言、
”きっと誰もが、ゆがんでいる。”
…は伊達ではありませんでした。
男性・女性どちらも微妙に問題あったりして。
明るいラブコメ展開なんは皆無です。
お話によって、読後感がずどーんと落ち込むようなものもあったので、精神状態には注意。
影響受け易い方は、一気に読み進めない方がいいかも。
ただ、精神浸食されるような漫画だけあって、ほぼ短編ながら読み応えは抜群。
お好きな方はどうぞ。
やや強めな線の作画。
濃淡・描き込みは適度なくらい。
全体は薄めでしっかり色づきあり、白比率もあって見易い原稿です。
ただ、絵は平たい印象で、乱れ・崩れも散見され。
引っ掛かるほどではないものの、もう少し丁寧さがほしいところ。
良く描かれているコマもあるので、やや勿体ないですね。
表現的にはお上手で、テンポあって漫画運びは問題なし。
特徴ある絵柄が問題ないか、どうかでしょう。
判断については、↓表紙・裏表紙でどうぞ。
【 収録話 】 10話収録
027:「ひらりしゃらり」
祖父が創業者で会長、父が重役という会社で働くお嬢様な「御門さくら」
婚約者の「松山」は資産家の息子で、優しく・明るく・誠実という理想的な男性でした。
しかし彼女は別の男性と…というお話。
タイトルの意味はオチくらいで分かります。
婚約者さんは非常にいい男性だと思うんですが、実際こんなんありそう。
関係しているのはまぁ、仕方ないとしても、オチ付近で語ってる事のがなんだかイヤだ。
また、ラストコマのセリフが秀逸。
※美鈴
037:「想ひ潰ゆ」
陸上部「沼田」は走ることが何よりも好きな男性。
マネージャー「深月まこ」はそんな彼に好意をもっていたんですが。
階段で足を滑らせた彼女を受け止めたところ、膝を怪我してしまい。
走る事が出来なくなってしまったのでした。
罪悪感からか、「まこ」は何でも言うことに従うようになったのです。
そんな感じで、こちらは運動部の元先輩とマネージャー。
設定としてはよくある感じなんですが。
そう単純ではない、ドス黒さあるのがこの単行本の良いところ(笑)
非常に良かったです。
こんな話好き。
063:「空蝉少女」
奥手で会話下手なコンビニ店員「水瀬芽衣」
ひょんな切っ掛けから、客であった「奈加川」から告白され、付き合うこととなったのでした。
他の話に比べればだいぶソフトですね。
”女の子”が”女性”になるというひと経験話ですよ。
見立てた服が露出大きくてキュートでした。
083:「クレナイカマキリ」
「河井瑛太」は大学時代の憧れの女性「美鈴」と再会。
彼女と結婚したのは友人「萩原」だったんですが、DVを受けていると告白し。
「夫を殺して…」
そう言ってきたのでした。
まぁ、他人の好意をダシに人殺し依頼してくるような女は最低ですわね。
自分でなんとかしなさい。
とはいえ、「瑛太くん」にとっては旦那「萩原」は友人だった男性。
ぱっと決行できる筈もなく、思い悩むんですが…これがまたパンチの効いたブラック具合。
オチは「そうかー!」って転げ回りたくなるようなものでした。
これはまた抜群なお話ですよ。
103:「凩吹いて」
「村瀬凜絵(むらせ・りえ)」が付き合う彼は、幼少期の経験からえっちが出来ない体質。
付き合う際にそれを聞いており、それを承知で同棲をしいたんですが…という流れ。
これは仕方ないかと。
心理的なものなので、難しいことは承知で…なんとか治す方向にはいけないのかなぁ。
ただ、「凜絵ちゃん」もソレをはっきり言わないとダメよ。
こっそり裏切るのは最低。
119:「しんしん」
若手ではトップという優秀な営業マン「天海」くんのエピソード。
仕事が出来、顔も良いということでモテる彼なんですが。
なんというか、人間としては二流、三流という印象。
エリートっぽいから、そうして成長したのか。
こんなんロクな結果にならないだろうなぁ、って思っていたら案の定でした。
眼鏡の人事部「志嶋」さんは可愛らしいですよ。
137:「朧春」
美人の奥様「紗希」見合い結婚をしていた「三橋」
明るく話し上手なため、不器用・口下手な自分とは釣り合わない思っていたんですが…冗談めいた告白から、あっさり結婚へと至っていたのでした。
これはまた男性側に問題ある作品。
なんというか…さらに違った変化球のブラック具合で、うーんと唸ってしまう雰囲気。
もう少し前向きに生きようよ(笑)
お話ではひと事件起こるんですが、それがため平穏を得るというのが抜群。
読んでて、決して楽しい漫画ではないんですけどねー。
155:「春の風」
後輩「由宇香(ゆうか)」と久しぶりに再会した「しずく」
しかし、そこには自分に好意を持っているという、彼女の兄もついてきていたのでした。
これはどうにも救いの薄いエピソード。
要するに、片想いが連鎖していて。
成年のラブコメなら、なんのかんのと大団円になりそうなんですが、こちらは社会派(?)
そう単純なモノではないですよ。ええ。
後半の微妙な表情で見つめる「由宇香さん」が怖い。
※左:紗希、右:日宮深雪
001:「雪の果て」 カラー原稿あり
171:「海鳴り」
本当は「雪の果て」が冒頭に位置する漫画なんですが。
最後に収録された「海鳴り」との連続だったので、こちらにまとめて紹介します。
柔道部のマネージャー「日宮深雪(ひのみや・みゆき)」に憧れていた「白峰」
しかし、彼女は先輩「貢」と付き合っており。
そのまま卒業・就職となっていたんですが…金遣いの荒さは社会人になっても変わらず、借金代わりに「深雪」を差し出しているというのでした。
大雑把ですが、そんなんが「雪の果て」
再会した「深雪さん」が変わらず綺麗で優しいのが悲劇ですね。
変な話、想いブチ壊すようなんならば、まだ救いがあるのに…。
あの行動も仕方ないかなぁ。
そんなこんなで、続くエピソード「海鳴り」
その後の2人が描かれます。
まさに漫画タイトル通りという感じですね。
生活、そして人生をも狂わされた男女の複雑な感情が交差してました。
もう、イヤんなるくらいにドッカリと重たく、実に良い作品(笑)
…で、何より良かったのが、こちらのオチ。
やっぱり、センセはあえてこの位置に収録したのかなぁ。
読み手によって意見様々かもしれませんけど、個人的にはこのオチで全体が綺麗にまとまったように感じました。
【 その他 】
そんなこんなで「久遠ミチヨシ」センセでした。
↓下に並べましたが、ブログでは何冊か紹介しています。
お馴染みです。
あとがきによると、デビュー10周年とのことでした。
おめでとうございます!
珍しくブラックな作品群でしたが、各話とも深く、重く…。
予想以上の出来栄えでした。
ぶっちゃけ、こっちジャンルのが合ってるのでは。
あなたと私は悪くない (バンブーコミックス COLORFUL SELECT) (2014/05/27) 久遠 ミチヨシ 商品詳細を見る |
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