■if ~時限の彼女~ (史鬼匠人)
★まんがデーター [18.0/20.0]
・絵柄 :●●●●◎
・お話 :●●●●◎
・漫画 :●●●●◎
・独創性:●●●●◎
・属性 : [成年] ファンタジー、サスペンス
・構成 : カラー(4P)、短編×5話(うち「ifシリーズ」×3)
・おまけ: 初単行本、あとがき・作品解説、ゲストページ、
合間にイラスト。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「史鬼匠人(しき・たくと)」センセの「if ~時限の彼女~」です。
※左:橘雫、右:美詠
【 構成・絵柄 】
収録は5話と少ないんですが。
単行本は200ページほどあり、各話が長いというパターン。
特に表題となっているシリーズはだいたい50ページほどの長さで、通常では3~4話くらいの長さがあります。
2話の短編も長めでしたよ。
まずシリーズものは、とある設定からのオムニバス。
特に繋がりはなく、ファンタジーというかSFなお話でのえっち展開です。
ややブラックな展開・結末もありましたが、どちらも読み応えのある優れたストーリーです。
短編の2話は、温かなノスタルジーと、旧家を舞台としたえっちモノ。
どちらもラブコメとかなんとかの単語だけでは表現しきれない、お話重視な作品として仕上がっていました。
良かったですよー。
また、絵柄もそうしたお話に負けないほどの出来栄え。
しなやかな線で描き込みが細かく。
原稿はごっちゃりしてました。
黒も強めではあるんですが、メリハリあってそうコテコテとはしておらず。
特に見辛さは感じません。
表現も優れ、作品を壊すことなく、またストーリーの邪魔もしておらず、お話に集中できました。
特に背景はお上手でしたよ。
キャラは適度に漫画っぽさを残しつつもリアル寄り。
まつ毛の描き方に特徴あり、色っぽさがあります。
ロリちっくな娘も違和感ありません。
ちょっとバランスが気になったコマもありましたが、実に些細なくらいでした。
カラーもお上手ですね。
やや癖はあるので、↓裏表紙のカット絵などで判断するのが良いでしょう。
【 収録話 】 5話収録
188:「覗き花」
シリーズものをまとめて紹介したかったので…。
通常は収録順で紹介するんですが、順序を変更しています。
こちらが持ち込み作品で、新人賞受賞作。
偶然みつけた旧家の壁穴。
微かに女性の声が聞こえたため、ふと覗いてみると……そこには、2人の男に汚される女性の姿があったのです。
何度か足を向けるとちらほらその光景を見ることがあり。
またふと訪ねてみたところ、真横にその女性「橘雫」が立っていたのでした。
そんな感じでミステリアスさある女性とのえっち短編。
覗こうとしてしゃがんだところ、すぐ横に立ってたのね。
はずかしー(笑)
ヒロイン「雫さん」は旧家の趣にぴったりな、和服美女。
そんな彼女自ら”どうだったか”、と聞きつつ迫ってくるのはドキドキしますわね。
ああしたオチと、あとがきのイラストで”彼女の中では特別な男性=いちおうハッピーエンド”と勝手に解釈しましたが、実際のところはどうなんでしょう。
ちなみに、”あとがきのイラスト”はそれぞれエピソードのカップルが仲良くお茶する光景です。
053:「夏帰(かき)」
幼馴染み「美詠(みよ)」から届いた、母親が入院したというメールを切っ掛けに帰郷することとした主人公
しかし、病院の母親は予想外に元気で、単に方便であったと理解したのでした。
”雰囲気を出すために描き込みを試した”
そうあとがきに書かれていましたが、なるほど素晴らしい背景・小物で、ノスタルジー感たっぷりな仕上がりです。
えっちは「美詠ちゃん」と。
彼女は童顔で可愛らしく、年齢差ありそうな気がしましたが…過去エピソードを見る限り、同学年か1、2年程度の違いなのかな。
微妙な距離感が偶然によって接近し、思わずキスしちゃう「美詠ちゃん」がキュート。
その後のうろたえっぷりも良かったです。
もう、可愛いなぁ。
過去の事情もそんな感じ。
女性が考えるほど気にしないものなんですけどねー。
※左:奈々、右:藤堂さん
135:「if ~時計物語~」
089:「if ~子犬物語~」
003:「if ~学園物語~」 カラー原稿あり
こちらがメインのifシリーズ3部作。
それぞれ”時間を戻すことができる不思議な時計”を切っ掛けとしてのお話。
特に繋がりはなく、それぞれ舞台・キャラなどはまったく異なるもの。
時計の形からして様々でしたよー。
なお、上に並べたそのまま、センセが描かれた順と収録順は逆になってます。
「if ~時計物語~」
時間を巻き戻すことのできる時計を拾っていた主人公。
やり直しのできるようになった今の状況・人生を”イージーゲーム”と考えておりました。
そんな彼はある日街中で家出少女「奈々」を拾い、彼女と同居することとなったんですが。
時計の力を使って、彼女を襲っては時間を戻す…ということを繰り返すのでした。
彼は既に時計を所持しており、その力をしっかり認識していて。
巻き戻すことができるのは1時間以内、と能力検証まで行っている様子。
抜け目ないですね。
なにげなく拾った「奈々ちゃん」は、リアクションがキュートな女の子。
彼にとっては”思いのほか女の子”だったため、えっちしては時間戻すという行為を繰り返すのでした。
面倒を見てくれた恩人、無理矢理初めてを奪う男。
そんな生活が長く続いていき…という流れなんですね。
えっちとお話がガッチリ組みあった話。
後半の「奈々ちゃん」が実に良く、ラストまで綺麗にまとまっていました。
ちなみに、↓表紙はこの「奈々ちゃん」です。
「if ~子犬物語~」
車にひかれそうだった子犬を助けた委員長。
子犬は無事だったものの、彼はその身代わりになってしまったのでした。
死んでしまうのか…と思った次の瞬間。
気付くと、その日の午前に時間が戻っていたのです。
見知ったその日を過ごした彼は、また子犬を助けようとして…3回目の同日朝を迎えたのでした。
クラスメイト「藤堂」に呼び出され、実際に時刻が巻き戻され、必ず死ぬ運命にあることを知らされ。
悔いが無いように、とえっちに誘われたのでした。
こちらは、時計の所持者が別の人であるのがポイント。
また女性であるためか、自らの黒い欲望を満たそうとした男性陣(次のエピソードも)とは、ちょっと趣が違いましたよ。
他人と交わらず、ミステリアスな存在であった「藤堂さん」
綺麗な娘さんなんですけどね。
なぜか彼に付き合い、学校のあちこちでえっちをするんですが。
毎回初めて、という彼女にはあまり得がないように思え。
ネタバラシとかラストとか、優しい娘なんだろうなぁ。
特にラストページの表情は、収録ヒロイン中でもトップクラスというべきもの。
いいお話でした。
「if ~学園物語~」
私立の女学園に非常勤講師として勤務する「遠藤」
正規職員でもないのに膨大な仕事を押し付けられ、女子生徒にはからかわれ、日常に嫌気がさしていた頃。
年季が入った柱時計とそのゼンマイを発見したのでした。
ゼンマイを巻くと、針の示す数字だけ時間が戻せることに気付き。
試しに、いつも親しくしていた生徒「南坂香織」を襲うこととしたのです。
※南坂香織
こちらが冒頭話。
3部作で唯一のブラック展開なんですね。
カラー部分を担当しているのが、メインのヒロイン「香織さん」
みつ編み・眼鏡の真面目な娘さんで、巨乳。
もともと好きだったようで、行為によってはおそらく時間を戻しているものの、付き合う彼女となっていました。
そう、ちゃんと告白して、「香織さん」が彼女となっていることがポイントです。
先のエピソードも含め、”周囲の人間がどこまでソレを認識しているのか”、は議論あるかもしれませんが。
神がかりな事をしていた者の末路として、いいお話。
あとがきのイラストでもこのカップルだけ面白い事となってました。
【 その他 】
そんなこんなで、「史鬼匠人」センセでした。
こちらが初単行本で間違いないようなんですが。
そんな事実を疑いたくなるような、素晴らしい完成度でした。
”卓越したストーリーテリング”
そんな紹介がされていましたけど、納得。
特に、お話を重視したい方には間違いなくオススメな1冊です。
ちょっと絵柄の癖が強めなくらいかな。
ただ、それも画楓が確立・安定されている裏付けみたいなもので。
お話だけでなく、作画でも高水準でした。
いやー、成年漫画界は次々に凄いですねー。
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・絵柄 :●●●●◎
・お話 :●●●●◎
・漫画 :●●●●◎
・独創性:●●●●◎
・属性 : [成年] ファンタジー、サスペンス
・構成 : カラー(4P)、短編×5話(うち「ifシリーズ」×3)
・おまけ: 初単行本、あとがき・作品解説、ゲストページ、
合間にイラスト。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「史鬼匠人(しき・たくと)」センセの「if ~時限の彼女~」です。
※左:橘雫、右:美詠
【 構成・絵柄 】
収録は5話と少ないんですが。
単行本は200ページほどあり、各話が長いというパターン。
特に表題となっているシリーズはだいたい50ページほどの長さで、通常では3~4話くらいの長さがあります。
2話の短編も長めでしたよ。
まずシリーズものは、とある設定からのオムニバス。
特に繋がりはなく、ファンタジーというかSFなお話でのえっち展開です。
ややブラックな展開・結末もありましたが、どちらも読み応えのある優れたストーリーです。
短編の2話は、温かなノスタルジーと、旧家を舞台としたえっちモノ。
どちらもラブコメとかなんとかの単語だけでは表現しきれない、お話重視な作品として仕上がっていました。
良かったですよー。
また、絵柄もそうしたお話に負けないほどの出来栄え。
しなやかな線で描き込みが細かく。
原稿はごっちゃりしてました。
黒も強めではあるんですが、メリハリあってそうコテコテとはしておらず。
特に見辛さは感じません。
表現も優れ、作品を壊すことなく、またストーリーの邪魔もしておらず、お話に集中できました。
特に背景はお上手でしたよ。
キャラは適度に漫画っぽさを残しつつもリアル寄り。
まつ毛の描き方に特徴あり、色っぽさがあります。
ロリちっくな娘も違和感ありません。
ちょっとバランスが気になったコマもありましたが、実に些細なくらいでした。
カラーもお上手ですね。
やや癖はあるので、↓裏表紙のカット絵などで判断するのが良いでしょう。
【 収録話 】 5話収録
188:「覗き花」
シリーズものをまとめて紹介したかったので…。
通常は収録順で紹介するんですが、順序を変更しています。
こちらが持ち込み作品で、新人賞受賞作。
偶然みつけた旧家の壁穴。
微かに女性の声が聞こえたため、ふと覗いてみると……そこには、2人の男に汚される女性の姿があったのです。
何度か足を向けるとちらほらその光景を見ることがあり。
またふと訪ねてみたところ、真横にその女性「橘雫」が立っていたのでした。
そんな感じでミステリアスさある女性とのえっち短編。
覗こうとしてしゃがんだところ、すぐ横に立ってたのね。
はずかしー(笑)
ヒロイン「雫さん」は旧家の趣にぴったりな、和服美女。
そんな彼女自ら”どうだったか”、と聞きつつ迫ってくるのはドキドキしますわね。
ああしたオチと、あとがきのイラストで”彼女の中では特別な男性=いちおうハッピーエンド”と勝手に解釈しましたが、実際のところはどうなんでしょう。
ちなみに、”あとがきのイラスト”はそれぞれエピソードのカップルが仲良くお茶する光景です。
053:「夏帰(かき)」
幼馴染み「美詠(みよ)」から届いた、母親が入院したというメールを切っ掛けに帰郷することとした主人公
しかし、病院の母親は予想外に元気で、単に方便であったと理解したのでした。
”雰囲気を出すために描き込みを試した”
そうあとがきに書かれていましたが、なるほど素晴らしい背景・小物で、ノスタルジー感たっぷりな仕上がりです。
えっちは「美詠ちゃん」と。
彼女は童顔で可愛らしく、年齢差ありそうな気がしましたが…過去エピソードを見る限り、同学年か1、2年程度の違いなのかな。
微妙な距離感が偶然によって接近し、思わずキスしちゃう「美詠ちゃん」がキュート。
その後のうろたえっぷりも良かったです。
もう、可愛いなぁ。
過去の事情もそんな感じ。
女性が考えるほど気にしないものなんですけどねー。
※左:奈々、右:藤堂さん
135:「if ~時計物語~」
089:「if ~子犬物語~」
003:「if ~学園物語~」 カラー原稿あり
こちらがメインのifシリーズ3部作。
それぞれ”時間を戻すことができる不思議な時計”を切っ掛けとしてのお話。
特に繋がりはなく、それぞれ舞台・キャラなどはまったく異なるもの。
時計の形からして様々でしたよー。
なお、上に並べたそのまま、センセが描かれた順と収録順は逆になってます。
「if ~時計物語~」
時間を巻き戻すことのできる時計を拾っていた主人公。
やり直しのできるようになった今の状況・人生を”イージーゲーム”と考えておりました。
そんな彼はある日街中で家出少女「奈々」を拾い、彼女と同居することとなったんですが。
時計の力を使って、彼女を襲っては時間を戻す…ということを繰り返すのでした。
彼は既に時計を所持しており、その力をしっかり認識していて。
巻き戻すことができるのは1時間以内、と能力検証まで行っている様子。
抜け目ないですね。
なにげなく拾った「奈々ちゃん」は、リアクションがキュートな女の子。
彼にとっては”思いのほか女の子”だったため、えっちしては時間戻すという行為を繰り返すのでした。
面倒を見てくれた恩人、無理矢理初めてを奪う男。
そんな生活が長く続いていき…という流れなんですね。
えっちとお話がガッチリ組みあった話。
後半の「奈々ちゃん」が実に良く、ラストまで綺麗にまとまっていました。
ちなみに、↓表紙はこの「奈々ちゃん」です。
「if ~子犬物語~」
車にひかれそうだった子犬を助けた委員長。
子犬は無事だったものの、彼はその身代わりになってしまったのでした。
死んでしまうのか…と思った次の瞬間。
気付くと、その日の午前に時間が戻っていたのです。
見知ったその日を過ごした彼は、また子犬を助けようとして…3回目の同日朝を迎えたのでした。
クラスメイト「藤堂」に呼び出され、実際に時刻が巻き戻され、必ず死ぬ運命にあることを知らされ。
悔いが無いように、とえっちに誘われたのでした。
こちらは、時計の所持者が別の人であるのがポイント。
また女性であるためか、自らの黒い欲望を満たそうとした男性陣(次のエピソードも)とは、ちょっと趣が違いましたよ。
他人と交わらず、ミステリアスな存在であった「藤堂さん」
綺麗な娘さんなんですけどね。
なぜか彼に付き合い、学校のあちこちでえっちをするんですが。
毎回初めて、という彼女にはあまり得がないように思え。
ネタバラシとかラストとか、優しい娘なんだろうなぁ。
特にラストページの表情は、収録ヒロイン中でもトップクラスというべきもの。
いいお話でした。
「if ~学園物語~」
私立の女学園に非常勤講師として勤務する「遠藤」
正規職員でもないのに膨大な仕事を押し付けられ、女子生徒にはからかわれ、日常に嫌気がさしていた頃。
年季が入った柱時計とそのゼンマイを発見したのでした。
ゼンマイを巻くと、針の示す数字だけ時間が戻せることに気付き。
試しに、いつも親しくしていた生徒「南坂香織」を襲うこととしたのです。
※南坂香織
こちらが冒頭話。
3部作で唯一のブラック展開なんですね。
カラー部分を担当しているのが、メインのヒロイン「香織さん」
みつ編み・眼鏡の真面目な娘さんで、巨乳。
もともと好きだったようで、行為によってはおそらく時間を戻しているものの、付き合う彼女となっていました。
そう、ちゃんと告白して、「香織さん」が彼女となっていることがポイントです。
先のエピソードも含め、”周囲の人間がどこまでソレを認識しているのか”、は議論あるかもしれませんが。
神がかりな事をしていた者の末路として、いいお話。
あとがきのイラストでもこのカップルだけ面白い事となってました。
【 その他 】
そんなこんなで、「史鬼匠人」センセでした。
こちらが初単行本で間違いないようなんですが。
そんな事実を疑いたくなるような、素晴らしい完成度でした。
”卓越したストーリーテリング”
そんな紹介がされていましたけど、納得。
特に、お話を重視したい方には間違いなくオススメな1冊です。
ちょっと絵柄の癖が強めなくらいかな。
ただ、それも画楓が確立・安定されている裏付けみたいなもので。
お話だけでなく、作画でも高水準でした。
いやー、成年漫画界は次々に凄いですねー。
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