■ゆりどりみどり (源久也)
★まんがデーター [19.5/20.0]
・絵柄 :●●●●◎
・お話 :●●●●●
・漫画 :●●●●●
・独創性:●●●●●
・属性 : [百合] ラブコメ、コメディー、ファンタジー
・構成 : 短編×7話+描き下ろし。
・おまけ: あとがき漫画・作品解説「あとがきマン。」、折り返しにコメント、
合間にネタ絵、描き下ろし漫画(4P)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「源久也(みなもと・ひさなり)」センセの「ゆりどりみどり」です。
※「なな」と「エリー」
【 構成・絵柄 】
収録は全て短編。
描き下ろし漫画があり、各作品のコラボものになっていました。
後日談っぽく描かれてるのもあります。
”百合姫コミックス”のくくりそのまま、ジャンルは百合漫画。
たっぷりなコメディー要素と共に、ラブラブなのが最大の特徴です。
そりゃー、身悶えるくいな甘さがありますよー。
また、それでいて”単に楽しく・あまったるいだけでない”のがポイント。
百合ならでは要素はキチンとあるので、お好きな人も満足頂けるでしょう。
詳しくは後述しますが、百合系でも他では決して見られないような独特なアプローチでした。
オススメです。
強めな線でこざっぱりとした作画。
淡い色使いで白比率もあり、濃淡は薄め。
描き込みもコテコテとはしておらず、必要最低限みたいな印象です。
物語の雰囲気と合って、独特なほのぼの感がありました。
安定したコマ割りで、収まり良いもの。
見易い原稿です。
人物絵はゆったりとした輪郭と丸い目の可愛らしいもの。
ちょっと癖があると思います。
目立つ乱れとか崩れはなく、漫画表現も違和感なく。
ジャンルなどを含めて苦手な系統でなければ、特に問題ないでしょう。
判断については、特に変化はないので↓表紙・裏表紙でどうぞ。
【 収録話 】 7話+描き下ろし収録
005:「姫さま林檎を召し上がれ」
あまり裕福でなかった姫「マルス」は隣国の王に見初められ、嫁いだところ。
雪のように白い肌で好みドンピシャな娘「スノウ」がいたのでした。
…と、タイトルで想像できるかな。
いわゆる白雪姫を百合漫画化した、超ファンタジー。
ちゃんと鏡の精も登場。
こちらも可愛らしい娘さん。
鏡ですが平面でなく、コントでの絵画みたいに上半身を鏡外へ出せるのですねー。
その鏡の精に「スノウ」と仲良くなる術を訪ねるのが切っ掛け。
それがため、原作(?)のように、いじわるな継母になったところ~という流れ。
思わず泣いちゃう「マルスさん」がキュート。
意外な展開でしたよ、ええ。
お名前の意味になるほど、って思いました。
021:「あたしとあなたと彼女のソファ」
ソファで「はるか」を待っていた「エリー」
帰宅した彼女は、新たな女の子「なな」を伴っていたのでした。
そんな感じで、三角関係っぽくなるドキドキ話。
ネタバレしないよう、詳細は伏せますね。
油断して読んでいたところ、前話以上の引っ掛け(?)がありました。
な、なるほど。
色々匂わす感じはありましたわね。
途中で「ななちゃん」はお風呂に入るんですが、全裸で再登場したのはちょっと意外。
不意にイイ貧乳を頂けました。
※左:鏡の精、右:絵の少女・てけてけ
039:「学園近距離恋愛怪談」
学園七不思議の1つ、
「階段の踊り場に夕方6時にいると、絵の少女が抜け出してきて殺される」
その絵の少女(霊)は、ちょうど窓越しの本校舎から見える「トイレの花子さん」とコミュニケーションを取るようになっていて。
ふとした好意をもっていたものの、地縛霊なため動くことはできず。
ただ窓越しにコンタクトを取ることしかできなかったのです。
そうした頃、幽霊騒ぎを問題視した学校側は、絵の撤去を決定したのでした。
だいたいそんな感じ。
個人的に収録で最も好きなエピソード。
まさか怪談話が百合漫画になるとは思いませんでした。
さすがは「源久也」センセ。
先の「鏡の精」さんと2人して中扉をカラーで飾っていた「てけてけ」さんはこちらにサブキャラとして登場。
2人と違って移動できるため、重要な役回りになってます。
あとがき漫画の解説にも描かれてましたけど、確かにあれで正解かも。
制服の下はどうなってるのかな。
撤去される際のクライマックス部分は、不意に泣きそうになった(本当)くらい、物語に引っ張られました。
描き下ろし部分が楽しいです。
055:「世界は百合で満ちている」
2人で暮らす「あき」・「修子」は両想いの百合カップル。
一緒にいるだけで幸せだと思っていたところ、臨時ニュースが伝えたのは”百合婚の合法化”だったのです。
これまた他の漫画では見られない、ぶっ飛んだネタのエピソード。
伝えたニュースの女性がその流れでお天気お姉さんに告白する流れは小気味よく。
その後の新聞・雑誌や、専門誌「ユリシィ」まで実に楽しい。
こうして、にわかブームのようになってしまった百合婚について、それを望む「あき」が悩むのがメイン部分。
はっちゃけネタにキチンとした描写が混ざり、高い完成度ある1話です。
073:「キサとサキとあかいいと」
こちらもファンタジー世界でのお話。
18歳の誕生日の朝に見えるようになる”不思議な赤い糸”
その先に繋がっている人が、運命の相手なのでした。
ちょぅど誕生日となった「サキ」は糸が双子の「キサ」に繋がっていたことを確認してはしゃぐのですが。
ギリギリ誕生日が1日違いの「キサ」はまだそれが見えていなかったのです。
猫耳っぽい髪型なヒロインですね。
まあ、どちらも両想いなんですが…素直でない「キサちゃん」が可愛い。
コッテリ、ド甘いお話ですよ。
089:「私のヒーローさん」
ヒーロー好きな「莉奈」とアクション女優(スーツアクター)な「汐」は、同棲するラブラブカップルなんですが。
仕事を重視する彼女がため、その好意を不安に感じていたところ…と、だいたいそんな感じ。
女性が戦隊モノのレッドをやるというのは、凄まじい大抜擢ですねー。
殺陣は間違えると大怪我になるので、注意散漫なのは危険。
「RX」が楽しい。
ひでるさんその世代ではないのですが。
しかし、こうしたネタを百合漫画として仕上げるセンセはまた凄い。
※左:「あき」・「修子」、右:「岸壁に百合の花は咲くか」の2人
107:「岸壁に百合の花は咲くか」
彼女にフラれ、気付いたら断崖絶壁にいた…という、珍しく大失恋で始まるエピソード。
あとがきによると、最後のひねくれ、だそうです。
まぁ、なんのかんの言って甘いのには違いないんですが、こうした変化はいいですね。
深刻なお姉さんに対し、
「ああ!確かに容量少なそうよね!」
とか彼女に言われてしまう、体育会系な女の子が楽しい。
結構お似合いよね、2人。
良質な百合コメディーとなってました。
125:「ゆりどりみどり」 描き下ろし
127:「ゆりどりけもの」 描き下ろし
128:「ゆりどりかのじょ」 描き下ろし
描き下ろしは4コマっぽい雰囲気のショート。
実際、「ゆりどりけもの」と「ゆりどりかのじょ」は4コマ漫画です。
各作品のキャラがコラボするというもので、前述したとおり「姫さま林檎を召し上がれ」、「学園近距離恋愛怪談」、「私のヒーローさん」の3作品がコラボする「ゆりどりみどり」が実に面白い。
専門誌「ユリシィ」がまた出てくる、「岸壁に百合の花は咲くか」の後日談っぽい「ゆりどりかのじょ」も良かったです。
【 その他 】
そんなこんなで「源久也」センセでした。
ようやく手に入れることができました。
ひと通り読み終わって思ったのは…やっぱりコッチだなぁ、と。
(※先に「ろくじょ~ひとまの ねこがみさま」を読んでいたのよ)
自由な発想での百合短編群で、個人的にハズレなエピソードはありませんでした。
全話集合しているカバー絵とか、描き下ろしもいい感じ。
あ、なにげに↓表紙のアレは描き下ろし「ゆりどりかのじょ」の続きになってるのか。
(登場カップル中、関係が微妙なあの2人は何を見るのかな)
百合長編「ふ~ふ」よりも楽しめました。
短編お上手ですねー。
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・絵柄 :●●●●◎
・お話 :●●●●●
・漫画 :●●●●●
・独創性:●●●●●
・属性 : [百合] ラブコメ、コメディー、ファンタジー
・構成 : 短編×7話+描き下ろし。
・おまけ: あとがき漫画・作品解説「あとがきマン。」、折り返しにコメント、
合間にネタ絵、描き下ろし漫画(4P)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「源久也(みなもと・ひさなり)」センセの「ゆりどりみどり」です。
※「なな」と「エリー」
【 構成・絵柄 】
収録は全て短編。
描き下ろし漫画があり、各作品のコラボものになっていました。
後日談っぽく描かれてるのもあります。
”百合姫コミックス”のくくりそのまま、ジャンルは百合漫画。
たっぷりなコメディー要素と共に、ラブラブなのが最大の特徴です。
そりゃー、身悶えるくいな甘さがありますよー。
また、それでいて”単に楽しく・あまったるいだけでない”のがポイント。
百合ならでは要素はキチンとあるので、お好きな人も満足頂けるでしょう。
詳しくは後述しますが、百合系でも他では決して見られないような独特なアプローチでした。
オススメです。
強めな線でこざっぱりとした作画。
淡い色使いで白比率もあり、濃淡は薄め。
描き込みもコテコテとはしておらず、必要最低限みたいな印象です。
物語の雰囲気と合って、独特なほのぼの感がありました。
安定したコマ割りで、収まり良いもの。
見易い原稿です。
人物絵はゆったりとした輪郭と丸い目の可愛らしいもの。
ちょっと癖があると思います。
目立つ乱れとか崩れはなく、漫画表現も違和感なく。
ジャンルなどを含めて苦手な系統でなければ、特に問題ないでしょう。
判断については、特に変化はないので↓表紙・裏表紙でどうぞ。
【 収録話 】 7話+描き下ろし収録
005:「姫さま林檎を召し上がれ」
あまり裕福でなかった姫「マルス」は隣国の王に見初められ、嫁いだところ。
雪のように白い肌で好みドンピシャな娘「スノウ」がいたのでした。
…と、タイトルで想像できるかな。
いわゆる白雪姫を百合漫画化した、超ファンタジー。
ちゃんと鏡の精も登場。
こちらも可愛らしい娘さん。
鏡ですが平面でなく、コントでの絵画みたいに上半身を鏡外へ出せるのですねー。
その鏡の精に「スノウ」と仲良くなる術を訪ねるのが切っ掛け。
それがため、原作(?)のように、いじわるな継母になったところ~という流れ。
思わず泣いちゃう「マルスさん」がキュート。
意外な展開でしたよ、ええ。
お名前の意味になるほど、って思いました。
021:「あたしとあなたと彼女のソファ」
ソファで「はるか」を待っていた「エリー」
帰宅した彼女は、新たな女の子「なな」を伴っていたのでした。
そんな感じで、三角関係っぽくなるドキドキ話。
ネタバレしないよう、詳細は伏せますね。
油断して読んでいたところ、前話以上の引っ掛け(?)がありました。
な、なるほど。
色々匂わす感じはありましたわね。
途中で「ななちゃん」はお風呂に入るんですが、全裸で再登場したのはちょっと意外。
不意にイイ貧乳を頂けました。
※左:鏡の精、右:絵の少女・てけてけ
039:「学園近距離恋愛怪談」
学園七不思議の1つ、
「階段の踊り場に夕方6時にいると、絵の少女が抜け出してきて殺される」
その絵の少女(霊)は、ちょうど窓越しの本校舎から見える「トイレの花子さん」とコミュニケーションを取るようになっていて。
ふとした好意をもっていたものの、地縛霊なため動くことはできず。
ただ窓越しにコンタクトを取ることしかできなかったのです。
そうした頃、幽霊騒ぎを問題視した学校側は、絵の撤去を決定したのでした。
だいたいそんな感じ。
個人的に収録で最も好きなエピソード。
まさか怪談話が百合漫画になるとは思いませんでした。
さすがは「源久也」センセ。
先の「鏡の精」さんと2人して中扉をカラーで飾っていた「てけてけ」さんはこちらにサブキャラとして登場。
2人と違って移動できるため、重要な役回りになってます。
あとがき漫画の解説にも描かれてましたけど、確かにあれで正解かも。
制服の下はどうなってるのかな。
撤去される際のクライマックス部分は、不意に泣きそうになった(本当)くらい、物語に引っ張られました。
描き下ろし部分が楽しいです。
055:「世界は百合で満ちている」
2人で暮らす「あき」・「修子」は両想いの百合カップル。
一緒にいるだけで幸せだと思っていたところ、臨時ニュースが伝えたのは”百合婚の合法化”だったのです。
これまた他の漫画では見られない、ぶっ飛んだネタのエピソード。
伝えたニュースの女性がその流れでお天気お姉さんに告白する流れは小気味よく。
その後の新聞・雑誌や、専門誌「ユリシィ」まで実に楽しい。
こうして、にわかブームのようになってしまった百合婚について、それを望む「あき」が悩むのがメイン部分。
はっちゃけネタにキチンとした描写が混ざり、高い完成度ある1話です。
073:「キサとサキとあかいいと」
こちらもファンタジー世界でのお話。
18歳の誕生日の朝に見えるようになる”不思議な赤い糸”
その先に繋がっている人が、運命の相手なのでした。
ちょぅど誕生日となった「サキ」は糸が双子の「キサ」に繋がっていたことを確認してはしゃぐのですが。
ギリギリ誕生日が1日違いの「キサ」はまだそれが見えていなかったのです。
猫耳っぽい髪型なヒロインですね。
まあ、どちらも両想いなんですが…素直でない「キサちゃん」が可愛い。
コッテリ、ド甘いお話ですよ。
089:「私のヒーローさん」
ヒーロー好きな「莉奈」とアクション女優(スーツアクター)な「汐」は、同棲するラブラブカップルなんですが。
仕事を重視する彼女がため、その好意を不安に感じていたところ…と、だいたいそんな感じ。
女性が戦隊モノのレッドをやるというのは、凄まじい大抜擢ですねー。
殺陣は間違えると大怪我になるので、注意散漫なのは危険。
「RX」が楽しい。
ひでるさんその世代ではないのですが。
しかし、こうしたネタを百合漫画として仕上げるセンセはまた凄い。
※左:「あき」・「修子」、右:「岸壁に百合の花は咲くか」の2人
107:「岸壁に百合の花は咲くか」
彼女にフラれ、気付いたら断崖絶壁にいた…という、珍しく大失恋で始まるエピソード。
あとがきによると、最後のひねくれ、だそうです。
まぁ、なんのかんの言って甘いのには違いないんですが、こうした変化はいいですね。
深刻なお姉さんに対し、
「ああ!確かに容量少なそうよね!」
とか彼女に言われてしまう、体育会系な女の子が楽しい。
結構お似合いよね、2人。
良質な百合コメディーとなってました。
125:「ゆりどりみどり」 描き下ろし
127:「ゆりどりけもの」 描き下ろし
128:「ゆりどりかのじょ」 描き下ろし
描き下ろしは4コマっぽい雰囲気のショート。
実際、「ゆりどりけもの」と「ゆりどりかのじょ」は4コマ漫画です。
各作品のキャラがコラボするというもので、前述したとおり「姫さま林檎を召し上がれ」、「学園近距離恋愛怪談」、「私のヒーローさん」の3作品がコラボする「ゆりどりみどり」が実に面白い。
専門誌「ユリシィ」がまた出てくる、「岸壁に百合の花は咲くか」の後日談っぽい「ゆりどりかのじょ」も良かったです。
【 その他 】
そんなこんなで「源久也」センセでした。
ようやく手に入れることができました。
ひと通り読み終わって思ったのは…やっぱりコッチだなぁ、と。
(※先に「ろくじょ~ひとまの ねこがみさま」を読んでいたのよ)
自由な発想での百合短編群で、個人的にハズレなエピソードはありませんでした。
全話集合しているカバー絵とか、描き下ろしもいい感じ。
あ、なにげに↓表紙のアレは描き下ろし「ゆりどりかのじょ」の続きになってるのか。
(登場カップル中、関係が微妙なあの2人は何を見るのかな)
百合長編「ふ~ふ」よりも楽しめました。
短編お上手ですねー。
ゆりどりみどり (IDコミックス 百合姫コミックス) (2014/11/18) 源 久也 商品詳細を見る |
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