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■センテンス・ガール (スミヤ)

★まんがデーター [15.5/20.0]
・絵柄 :●●●◎○
・お話 :●●●●○
・漫画 :●●●●○
・独創性:●●●●○
・属性 : [成年] 大学生、恋愛話、幼馴染み
・構成 : 短編×11話(うち「センテンス・ガール」×5)
・おまけ: あとがき、カバー裏にラフ絵、加筆修正あり、
      描き下ろし「Sentence Girl After Story」

本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「スミヤ」センセの「センテンス・ガール」です。

砂見恵、真壁悠
※左:砂見恵、右:真壁悠

 【 構成・絵柄 】

収録は表題作の中編と短編。
短編のうち1つはメイン中編の外伝的なもので、主人公らがゲスト出演しております。
また、描き下ろしは全カップルが集結するそれぞれの後日談。
こちらでも中編の2人が中心のように描かれてました。
そのメインはカップルを追ったストーリー連続話。
成年漫画的な流れもありましたよー。
そう、単行本の登場人物はだいたい大学生
いままでは「茜新社」さんの単行本で、特にヒロインはロリ系揃いでしたが。
今回は「ワニマガジン社」さんで、だいぶ趣が変わっているのが特徴です。
そちらのファンは、バスト大きめなヒロインとかお話に懸念あるかもしれませんが。
個人的には、基本そう変化ないと思います。

柔らかな線の絵柄。
描き込みはすっきりで、濃淡はやや濃いめ。
枠間ないこと多く、大小コマや重なりなどがあり、なかなか賑やか。
そこそこ白比率もあるんですが。
こってりというほどではありません。
コマの変化は漫画表現で効果的に作用してます。
表情とか表現は良く、お話に集中できるもの。
ただし、線やバランスはやや心許ない印象。
引き絵など、細かく見るとそうした傾向が顕著です。
それでも、そうしたマイナス点を補うヒロインの魅力があり
ストーリーに乗った勢いもあるため、普通に読むには気にならないでしょう。
カラーだとまた違うので、判断については「ワニマガジン社」さんのサンプルがいいでしょう。

 【 収録話 】 11話収録

003:「センテンス・ガール」 5話
黒髪の美少女「久我山楓」
ほとんどの人が、
まともじゃない
と回答するだろう、”変な女子大生”でした。
珍しく飲み会に出席した彼女は、「花井翔」の参加を聞いて承諾したということで。
実際にお持ち帰りができたのですが…最中などにも自分の身体の反応を事細かに学術的な解説をするという、まさしく変わった女の子だったのです。
しかし、普段は人を寄せ付けないクールさある彼女の劇的な変化に、「翔」も惹かれていくのでした。
大雑把には、だいたいそんなお話。

独特なテンションのヒロインとのお話。
途中で友人という「砂見恵」が参加し、成年漫画的な展開にもなってはいましたが。
基本的には、2人がカップルになるまでを描いております。
まぁ、当初はラッキーくらいの感覚だった「翔くん」が完全に付き合う腹を決めるまで、というところかな。
しかし…チラとしか描かれていませんでしたが、「楓さん」はなにゆえ彼を気に入ったんでしょう。
後半で彼女の過去を知ってから、そこが気になりました。

久我山楓
※久我山楓

ちなみに。
なんとなく聞いた記憶ありましたが、各話のサブタイトルは音楽用語の様子。
調べてみました。
これら意味理解して読むと、また違った感じに読めるかも。
2話目・アンダンテ[andante]は歩くような早さで演奏。
3話目・アレグロ[allegro]は速い速度で、軽快に演奏。
4話目・アジタート[agitato]興奮して、激情的に、急速に演奏。
5話目・アダージョ [adagio]はゆるやかに演奏。
ちなみに、タイトルになっている「センテンス(sentence)」
1つ以上の単語からなる句より大きい言語上の単位。日本語の書き言葉の場合でいうと、「。(句点)」で終わるもの、だって。
(※Weblio辞書goo辞書より)


そんな訳で1話目はお持ち帰りえっち。
その特異な言い回しとか、雰囲気とは裏腹に今どきの娘なんですね、という印象。
彼女としてはしっかり好意を持ってましたが、この時の「翔くん」はそうでもないですからね。
えっち最中も頑張ってこ難しいことを言おうとしている「楓さん」が可愛い。
ここのオチは、いかにもセンセの漫画という感じ。
あの笑顔で、ガッチリ持ってかれましたよ。
それに続く2話目は、学園祭風景。
付き合っているというか、えっち関係が続いているような感じ。
実際、学園祭の保安委員である彼女の元を訪ね、羞恥プレイのような展開に発展しています。
友人「恵さん」はこちらから登場。
まぁ、あれだけの反応をみせてる彼女に気付かない訳ないですよねー。

そんなこんなで、3話目はその「恵さん」が追及するというものなんですが。
酔っぱらったこともあり、「翔くん」と関係をもってしまうのでした。
複雑な事情もあるんですけど、そこは本編にて。
雰囲気、正反対みたいですもんね。
オチのあれはその通りだと思います。
4話目も再び「恵さん」
先のサブタイトル紹介では「アジタート」となっていましたが、なるほどその通り。
成年漫画らしく、複数えっちになってます。
1週目は見落としてしまいましたが、よくよく見ると、彼女を誘うシーンで前フリがありました。
それを察して招待したのか。
結構ガッツリした場面を目撃されているんですが、雰囲気の異常さもあってか特に何事もなく流されてます。
まあ、彼女はそれに何か突っかかってくるタイプではないのでしょうけど。
ただ、オチ部分は胸を締め付けられるようですよ。
そんな感じで、衝撃の事実が判明する最終話。
色々ブレてはいたものの、いずれ分かることだろうし…結果的にはあれで良かったか。
やや物足りなさがあったモヤモヤは、描き下ろし漫画で晴れると思います。

103:「うとうと」
幼馴染みの「凛」・「亮太」
隣の部屋でお姉ちゃんカップルが始めてしまったのに触発され…という流れ。
実はこちら、「センテンス・ガール」の外伝みたいなエピソードです。
ポニーテールなヒロインの「凛」さんは…なんと、「楓さん」の妹だったのです。
うわ、あの娘お姉ちゃんだったのか!
不思議系な姉と違い、普通の娘。
まぁ、いかに”寝付きが良い”とか言っても、隣から実姉の声がガッチリ聴こえる中で寝れる訳もなく。
途中で思わず声を出してしまうコマがやたらに可愛かったです。
御所がズレていたため、若干お尻上げるところも好き。
描き下ろしでは進行っぽい役目となっていました。

123:「モンスターズ」
小柄で小動物みたい、というツインテールな女の子「中島鈴」と先輩の体格差カップル話。
2人の関係は順調であるんですが、「鈴」の性欲は体育学部な彼を圧倒しており。
満足させていないのでは、という体力的な悩みがあったのでした。
えっちなんは別ですよわねー。
普通は逆に見られるのだろうけど。
不安だった彼が用意したのは、いわゆる大人のオモチャ。
なるほど。
まぁ、そうした頑張りが大事なのでしょう。
ちなみに、2人は描き下ろしでもえっちしてましたよ。

143:「ヒトメボレ」
独特な口調で常に和服なお嬢様「玲香」
彼女が一目惚れしたのは、喫茶店の店員でした。
漫画ではキチク、とか表現されていましたけど、んな大したものではないですね。
せいぜい露出くらいでした。
おそらく、それぞれの趣味が合致した結果のプレイなんでしょう。
ラブラブでしたよ、ええ。

163:「ウソツキメガネ」
大学の芸術学部という眼鏡・ショートカットな「真壁悠」と「榊」
眼鏡が縁で、ちらほら会話をする間柄でした。
教室のホワイトボードに官能小説を書いていた彼女は、AVに出ていたという噂もある変わった娘。
うっかり眼鏡を壊してしまったため、見えていないという前提で「悠」に色々と挑発されるんですが。
実は「榊」のソレは伊達であり、ガッチリ見えていたのでした。
何やってるのかは何となくわかるよ
うん、その通り。
谷間もまる見えのラフな服装がキュート。
えっちでは普段とは違う可愛らしいところを見せてくれました。
オチが甘いですよん。

183:「悪食な馬と鹿」
お隣同士で昔馴染みな「鹿島航平」・「馬越友美」
親も認める2人だったものの、特に付き合っていた訳ではなかったんですが。
言い争いでじゃれあっていた所を勘違いされ、商店街の皆も噂にする公認カップルとなってしまったのでした。
お互い好き合ってはいるものの、距離感はまだ微妙なもので。
ある程度覚悟を決めた2人のやり取りが楽しい。
「友美さん」が可愛い。
事後の台詞がまた良い感じでした。

馬越友美
※馬越友美

203:「Sentence Girl After Story」 描き下ろし
全カップルが集合する、後日談漫画。
今回は皆さん年齢も高く、色々ありましたが。
これがため、実に良い読後感になったと思います。
やっぱりセンセの描かれる笑顔は眩しいですね

 【 その他 】

そんなこんなで「スミヤ」センセでした。
ブログでは初単行本「Romareda[ロマレダ]」、「Lycoris[リコリス]」、「SAYONARA FAIRIES[サヨナラ フェアリーズ]」などを紹介しています。
こちらで4冊目になるのかな。
合ってる?
本当はこのタイミングで別の漫画を紹介するつもりでしたが。
「スミヤ」センセの単行本が出るということで、急遽こちらに変更しました。
なんというか、甘いというか…優しい漫画が読みたい精神状態だったのよ。

前述したそのまま、今回はこれまでとは異なるスタンスではあったものの…。
やっぱり、基本的なところは変わっていないと思います。
前述しましたが、描き下ろしも本当に良かったです。

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